前十字靭帯断裂の自然治癒 ケース33 17歳男子スケートボーダー

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前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

17歳、男、アメリカ人

受傷機転:

2022年6月11日、スケートボードのジャンプの着地に失敗し、右膝を捻った。6月25日にMRI撮影を行い、以下の診断を得た。

前十字靭帯断裂(断端が不明瞭Iharaの分類Ⅳ))
外側側副靭帯損傷

受傷後の経過:

2022年8月3日より、当院のナチュラリゼーション療法をオンラインにて開始した。オンライン治療と自宅でのナチュラリゼーションを継続し、治療開始から5ヶ月後に再度MRI撮影を行った。尚、患者は機能的装具を使用していなかった。

MRIの結果:

 断裂した前十字靭帯は、太く緊張性のある形態で連続性を回復していた。(Iharaの治癒分類A

考察:

 若年層の前十字靭帯断裂は、その繊維が柔らかいことから、断裂時に不明瞭な断裂になるケースが多くみられる。本症例も、同様に不明瞭な断裂端を有しており、自然治癒は困難であると予想できた。さらに、治療開始時期も受傷後8週間と遅く、自然治癒の成功は危ぶまれた。しかし、その予想に反し、太く緊張性のある形態で自然治癒していた。Iharaの治癒分類では、最高グレードAに分類される。一つ残念なことは、治療期間中に、内側及び外側半月板を軽度であるが損傷していたことである。患者は機能的装具を着用しておらず、私もその指示をしていなかった。こういった例を鑑みて、2023年からは患者全員に装具の着用を指示している。

参考文献:

元日本代表選手の前十字靭帯断裂の自然治癒 ケース32

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前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

38歳、男性、日本人

受傷機転:

2022年9月11日、サッカーの試合中に、相手が左からぶつかってきた。その時、右足で踏ん張った時に、右膝が不自然な方向へ捻じれた。当日に病院へ行き、翌日にMRI撮影を行い、以下の診断を得た。

右膝十字靭帯断裂(中間部での断裂、かつ断端同士が離開しているIharaの分類Ⅲ))

受傷後の経過:

 9月15日に、別の病院を受診した。ラックマンテストの結果は陽性であった。9月19日に、関節穿刺によって関節液を摘出した。その後、腫脹は無く、膝屈曲90度まで可能であった。

 10月3日に、当院に来院した。ラックマンテスト陽性、レバーアームテスト陽性、ピボットシフト陰性であった。ナチュラリゼーション運動療法を開始し、自宅でも毎日継続した。10月18日に再度MRI検査を行った。

 断裂した前十字靭帯の自然癒合が確認された。その後もナチュラリゼーションを継続し、12月15日と翌年1月19日にMRI検査を行った。

 前十字靭帯の連続性も十分に確認でき、弛みも改善していた。

考察:

 患者は、元ビーチサッカーの日本代表選手というトップアスリートであった。まだ現役レベルでサッカーをやりたいという希望があり、頻繁にMRI撮影を行い、その治癒過程をつぶさに確認してきた。医者のみならず、周囲のサッカー関係者全員が手術を勧める中、自然治癒療法を選択したことは英断であった。画像診断による治癒レベルは、受傷後4カ月目に於いてグレードⅡであった。ハイレベルでのサッカーへの復帰は心配されたが、リハビリを重ね、数ヶ月後にはサッカーへ復帰していった。

参考文献:

前十字靭帯断裂の変形治癒 ケース9

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前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

30歳、男性、香港人

受傷機転:

 2023年8月20日、サッカーの試合中に、ドリブルで相手のタックルをかわした時に、左膝を捻った。その時に断裂音を自覚した。

受傷後の経過:

 翌日、ファミリードクターを受診し、MRI検査が必要と判断された。9月12日にMRI検査を受け、以下の診断を得た。

左膝前十靭帯断裂(近位部での断裂、かつ断端同士が離開しているIharaの分類Ⅲ))
内側側副靭帯損傷 GradeⅠ
外側側副靭帯損傷 GrageⅠ

 MRI検査後、理学療法士から指導された機能回復訓練を8日間継続した。指導された運動メニューは、エアロバイク、膝伸展運動やスクワットなどが含まれていた。9月23日より、当院のナチュラリゼーション療法をオンラインにて開始した。12月27日に二回目のMRI検査を受けた。

 MRI画像から判断すると、断裂した両断端と後十字靭帯が癒合していた。12月28日に香港にて対面で面会し、ラックマンテスト及びピボットシフトテストを行ったが、両方ともに陰性であった。その後、翌年2月2日と4月27日にMRI検査を行った。

4月27日のMRIに対する画像診断医の見解では、断裂した前十字靭帯は、靭帯繊維の再構成を伴う、緩んで弱った形態を呈していた。5月4日、患者はサッカーのプレーを再開したが、プレー時に足を踏み外してしまい、その時に痛みを伴わない断裂音を聞いた。

考察:

 本症例の結果としては、後十字靭帯への癒着を伴う変形治癒であった。変形治癒に至った原因を推測し、2つの原因をここに挙げる。一つは、断裂端同士が離開しているだけではなく、断裂端が不明瞭であった。もう一つは、自然治癒療法の開始前に、手術へ向けたリハビリを既に実施していたことが挙げられる。膝の完全伸展を伴う運動は、自然治癒の妨げになると考えている。今後、症例を更に重ね、膝完全伸展運動を行った群と行わなかった群との治癒成績の比較検証を行うつもりである。

参考文献:

前十字靭帯断裂の変形治癒 ケース8

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前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

55歳、女性、日本人

受傷機転:

 2022年3月7日、スキー中に転倒した際、右スキー板が雪に刺さったまま倒れこんだ。

受傷後の経過:

 事故した当日に救急病院へ運ばれ、X線撮影を行ったが骨折は無かった。翌日、地元の整形外科を受診し、関節穿刺によって関節液を抜かれた。3月15日にMRI撮影を行い、以下の診断を得た。

右膝前十字靭帯断裂(近位1/3での断裂、かつ断端同士が離れている。(Iharaの分類Ⅲ))

 2022年4月18日より、当院のナチュラリゼーション療法をオンラインで開始した。4ヶ月間、定期的にオンライン治療を受診し、8月17日に再度MRI撮影を行った。尚、この期間、機能的装具は装着していなかった。

 2回目のMRI検査では、断裂した前十字靭帯が癒合している様は確認できなった。しかしながら、脛骨側の断端が緊張していることから、本来の位置ではない箇所に癒合している可能性があった。その後もナチュラリゼーションを継続し、11月11日に3回目のMRI撮影を行った。

 3回目のMRI検査でも、断裂した前十字靭帯の自然治癒は明確には確認できなかった。しかしながら、矢状面と前額面の写真を総合的に精査すると、脛骨側の断端が大腿骨外顆内側面に癒合している判断した。その後、オンライン治療は中止し、PRP注射による再生医療を開始した。翌年の2023年8月31日に再度MRI撮影を行った。

 既に、大腿骨外顆内側面へ癒合していたことから、本来の位置へ自然治癒することは確認できなかった。

考察:

 本症例では、断裂した前十字靭帯が理想的な形態で自然治癒することは出来なかった。結果としは、大腿骨外顆内側面へ癒合という変形治癒であった。機能的には、関節は安定しており、患者曰く、日常生活には問題ないレベルまで回復した。患者へは、装具の装着を指示しなかったが、本症例以降、全ての患者へ装具装着を指示している。

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前十字靭帯断裂の変形治癒 ケース7

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前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

13歳、女性、日本人

受傷機転:

 2023年6月10日、バスケットボールの練習試合中に自力で転倒し、左膝を捻った。

受傷後の経過:

 6月12日にMRI撮影を行い、以下の診断を得た。

左膝前十靭帯断裂(断端同士が弛んでいる。(Iharaの分類Ⅱ))

 画像から新鮮外傷と確認できるが、二年前から膝が外れるたように感じたことが数回あった。しかし、直ぐにそのような症状は消失していた。今回の診察時に関節穿刺による関節液採取は行われなかった。受傷後、膝崩れは無かった。病院でのリハビリは受けず、当院のナチュラリゼーション療法を6月24日から開始した。当院のナチュラリゼーション療法を4ケ月間継続し、10月25日に再度MRI撮影を行った。

結果:

 二回目のMRI検査では、断裂した前十字靭帯の自然治癒は確認できなかった。

考察:

 本症例では、自然治癒は確認できず、更に、後十字靭帯等へ癒着による変形治癒も殆ど確認できなかった。十分に自然治癒可能な断裂形態にもかかわらず、自然治癒が成功しなかった理由は正確には分からないが、考えられる2つの理由を挙げる。一つは、低年齢女子の靭帯は、成人や同年代の男子に比べて自然治癒の成功率は低いという研究報告がある。二つ目は、通学時の移動手段の問題である。長距離の徒歩や自転車での通学を控える旨を伝えているが、家庭の事情により、送迎が出来ない場合がある。同症例の場合は、常に送迎が出来る環境ではなかった。今後、低年齢層の治癒率を向上させるために、治療法や生活環境に新たな工夫を施す必要性がある。

参考文献:

 

前十字靭帯断裂の変形治癒 ケース6

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前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

46歳、女性、ハンガリー人

受傷機転:

 2023年1月6日、スキーの滑降時にアイスバーンの上で転倒し、転げ落ちた。立ち上がれず、レスキュー部隊に救助された。

受傷後の経過:

 スロバキアからハンガリーに戻り、整形外科を受診した。関節穿刺によって関節液を抜いた。1月9日にMRI撮影を行い、以下の診断を得た。

右膝前十字靭帯断裂(断裂した断端が翻転(Iharaの分類Ⅲ))
右膝内側側副靭帯損傷
右膝外側側副靭帯損傷

 1月16日、整形外科を再度受診した。ラックマンテストは陽性であった。その後、膝完全伸展を含む関節可動域訓練を開始した。

 1月20日、当院のオンライン治療を開始し、ナチュラリゼーション療法を開始した。

 2月17日、再度MRI撮影を行った。膝完全伸展位での撮影であった。今回のMRI画像では、自然治癒は確認できなかった。むしろ、断端同士の距離は広がり悪化していた。脛骨側の断端は、翻転位のまま改善されていなかった。

 その後もナチュラリゼーション療法を継続し、5月18日に三回目のMRI撮影を行った。

 今回のMRI撮影でも自然治癒は確認されなかったが、医師によるラックマンテストでは陰性を示していた。その後、ナチュラリゼーション療法を中止し、ハンガリー国内で理学療法を開始した。9月18日、4回目のMRI撮影を行った。

 今回のMRIでも、大きな変化は無かった。患者は、右膝の可動域制限を有しており、膝の機能障害が残存していた。機能障害を改善するために、運動療法を継続している。2024年2月27日に5回目のMRI撮影を行った。

 画像診断医によるレポートでは、前十字靭帯は断裂しているが、僅かに一部の線維が繋がっているという診断であった。患者はは、日常生活をそれなりに送れているが、右膝の可動域制限は残存しており、現在も理学療法を継続している。

考察:

 今回のケースは、断裂した前十字靭帯が殆ど癒合しないばかりか、明らかな機能障害が残存しており、自然治癒は失敗したと言える結果になった。考えられる失敗の原因としては4つあると考える。一つ目は、末梢の断裂端が翻転しており、そもそも自然治癒しにくい形態であったこと。二つ目は、関節穿刺によって血種が抜かれていたこと。3つ目は、受傷後早期に完全伸展を含む理学療法を行っていたこと。4つ目は、受傷後早期に2回目のMRIを完全伸展位で撮影したこと。今回の結果を踏まえ、今後の治療法の改善に努めていきたい。

参考文献:

前十字靭帯断裂の変形治癒 ケース5

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前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

52歳、日本人、女性

受傷機転:

 2022年11月3日、ビーチボールバレーの試合中に、アタック後の着地を左片足で行った時に、同側左膝を捻って崩れ落ちた。

受傷後の経過:

 受傷後、他の接骨院にて電気治療等の治療を受けた。11月21日に整形外科を受診し、レントゲン撮影を行うも骨折は無し。この時、関節穿刺にて関節液を抜いた。11月26日にMRI検査を行い、以下の診断を得た。

前十字靭帯断裂
断裂した断端が不明瞭(Iharaの分類Ⅳ

治療開始

 12月3日より当院のオンライン治療を開始し、ナチュラリゼーションの運動療法を毎日3回、自宅で継続した。治療開始から4ヶ月後に2回目のMRI撮影を行った。尚、機能的装具は日常的に装着しなかった。

 MRI画像から、断裂した前十字靭帯の断端同士の癒合は確認できなかった。末梢の前十字靭帯断端は後十字靭帯と癒合していた。この時点で、医師によるラックマンテストの評価は陰性であった。その後、関節可動域訓練や筋力トレーニングを行い、日常生活では全く問題を生じないレベルまで回復していた。同年7月からビーチボールを段階的に復帰した。プレー時に、過度に左に体を捻ると、膝に不安定性を感じていた為、テーピングとサポーターを装着し、プレーを行っていた。

 7月30日、ビーチボールのプレー中に、再度左膝を捻った。膝は数日間腫脹したので、安静を保った。

 10月9日、患者と対面し、徒手検査を行った。ピボットシフトテスト(±)、ラックマンテスト(-)であった。

 12月9日、三回目のMRI撮影を行った。

 3回目のMRI画像では、2回目と大きな変化はなく、変形治癒のまま形態は固定していると考えられる。

考察:

 今回のケースでは、患者を約一年間に渡り治療とサポートをしてきたが、期待した通りの結果は得られなかった。今回の変形治癒に至った原因が3つあると推測した。1つ目は、関節穿刺検査による血種の除去。2つ目は、機能的装具を日常的に装着しなかったこと。3つめは、前十字靭帯の断裂パターンが不明瞭で、自然治癒が困難な状態であったことである。このケースを境に、患者には機能的装具の装着を指示している。

参考文献:

前十字靭帯断裂の変形治癒 ケース4

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前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

33歳、男性、マレーシア人

受傷機転:

 2022年7月21日、患者はバドミントンのプレー中に、 目の前に落ちたシャトルを拾おうと右足を前に出したところ、右側に倒れた。 同日中に病院に行ったが、すぐにはMRI検査を受けられなかった。 膝関節穿刺検査は行われなかった。 その後、患者は数回鍼治療を受け、膝の完全伸展を含む2週間の理学療法を受けた。 9月8日にMRI検査を受け、次のように診断された。

前十字靭帯完全断裂
(近位部が断裂し、I型に分類され、断裂端が向かい合った状態)
内側側副靭帯捻挫
外側半月板断裂

 2022年9月17日から、当院のオンラインでのナチュラリゼーション治療を開始した。可動域を制限する機能性膝装具を装着せずに3か月間継続した。 2023年5月9日、2回目のMRI検査を受けた。

考察:

 このタイプの前十字靭帯断裂は、自然治癒し易いにもかかわらず、期待された結果は得られなかった。 失敗に至った原因を 3 つ挙げる。 1つ目は、彼が機能的な装具を着用していなかったということ。 次に、治療開始が受傷から2か月後と少し遅かったこと。 第三に、治療開始前に膝を完全伸展させる理学療法を実施したこと。 今回の失敗を踏まえて、今後の治療計画を再検討していく。

参考文献:

前十字靭帯断裂の自然治癒からの手術 – ケース31

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前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

  • 国籍: ロシア
  • 性別: 男性
  • 年齢: 16歳

受傷機転:

2022年4月4日、患者はサッカーをしている際に右膝をひねり倒れる事故に遭う。その日にMRI撮影が行われた。

診断:

  • 前十字靭帯(ACL)の完全断裂(中間部の断裂、タイプ2)
  • 半月板に損傷の兆候はない。
  • 後十字靭帯(PCL)にわずかな損傷がある。

治療:

患者は2022年5月10日に当院のナチュラリゼーション療法をオンラインにて開始した。この治療中、患者は他のリハビリ運動は禁止された。治療中に膝装具は使用しなかった。治療開始から3ヶ月後、再度MRI撮影を行った。

MRI評価:

断裂した前十字靭帯は、その連続性を回復したが、その繊維は細いものであった。状態はIhara分類では、gradeIIIに分類される。ラックマンテストでは、膝の不安定性は、3段階中の2と評価された。しかしながら、大腿四頭筋は順調な回復を示していた。これらの混在する結果を踏まえ、保存療法を更に継続することになった。

事故:

2022年11月8日、父の忠告に反して、患者はバスケットボールを始めた。ゲーム開始から約15分後、膝にクリック音と激しい痛みを感じ、直ちにプレーを中止した。その後、膝が腫れだした。11月27日に撮影されたMRIでは、前十字靭帯の完全な断裂は確認されず、前回のMRI結果から大きな変化が見られなかった。

前十靭帯再建手術:

患者はまだ若いこと、膝の不安定性が残存していること、再受傷への不安から、最終的に前十字靭帯再建手術を行うことを選択した。

考察:

治療中に膝装具を使用しないことが、治癒過程に悪影響をもたらすかもしれない。また、患者が早期にスポーツ活動を再開したことが、事故発生の確率を高めたと推測される。スポーツ活動の復帰に対して、より慎重なアプローチが必要であることを示唆している。今後、症例を更に重ねていき、装具着用の有無や競技開始時期について研究していく必要がある。

参考文献:

前十字靭帯部分断裂の自然治癒 – ナチュラリゼーション療法による手術しない治療 30例目レポート

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前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

日本人、女性、40歳
 2022年11月12日、キックボクシングの練習中に飛び蹴りをし、左足で着地した際に、左膝をに捻った。 そして、その後も約1時間練習を続けた。 患者は膝が崩れる感覚を覚えた。 11月21日、患者は最初のMRIを受けたが、古いMRIで解像度が低く、診断に有効ではなかった。 12月6日、患者は3回目のMRIを新しいMRI撮影機で撮り、以下の診断を受けた。

前十字靭帯部分断裂

 通常の日常生活を送ることにおいては、患者は何の問題も感じなかった。受傷後は、膝崩れ起こさなかった。 しかし、前方引き出しテストでは、膝に緩みが確認された。 そして、患者はキックボクシングの練習だけでなく、他のあらゆる運動も中止した。 それだけでなく、膝を完全に伸ばすこともしなかった。

 12月7日より、当院のナチュラリゼーション療法をオンラインにて開始し、それを5週間続けた。そして、 2023年1月16日、3回目のMRI検査を行った。

MRIの評価:

 部分断裂により弛んでいた線維は、その緊張を取り戻し、かつ、その直線性も回復させていた。

今後の展望と考察:

 わずか5週間の治療期間にもかかわらず、損傷した前十字靱帯は十分な回復を示していた。 推測できる理由は、完全断裂ではなく部分断裂であったことである。 もう一つの理由は、損傷した靭帯が互いに離開していなかったことである。 適切な治療を行えば、前十字靱帯部分断裂は、早期に治癒していく可能性が高い。そして、完全断裂の場合よりも早期に通常の日常生活や、さらにはスポーツに復帰することができる可能性が高い。

参考文献: