カテゴリー: 前十字靭帯断裂の自然治癒

  • 症例47|前十字靭帯断裂の自然治癒(49歳・モロッコ生まれのアメリカ人男性)

    症例47|前十字靭帯断裂の自然治癒(49歳・モロッコ生まれのアメリカ人男性)

    サッカー中に右ひざを受傷。前十字靭帯は完全断裂内側側副靭帯は一部断裂。手術は行わず、オンラインでナチュラリゼーション療法を3か月実施(ひざの伸ばし切りを避ける/1日3,000歩以内/在宅運動1日3回)。4か月後のMRI(2023/8/31)で“つながり回復(ACLOAS 2)”を確認し、11か月後(2024/2/6)も維持日常生活は問題なし、競技復帰は未実施。
    前十字靭帯断裂の自然治癒療法前十字靭帯自然治癒の症例集

    患者情報

    • 年齢・国籍:49歳・モロッコ生まれのアメリカ人男性
    • 職業:建設会社勤務(治療期間中は重作業を回避しつつ、現場での歩行は継続)
    • 既往:半月板損傷(約5年前から)

    受傷機転

    • 受傷日:2023年3月19日
    • 状況:サッカー中に滑倒し、右膝を屈曲・捻転して受傷

    初期評価(MRI①)

    • 撮影日:2023年4月7日
    • 診断:右膝 前十字靭帯(ACL)完全断裂+内側側副靭帯(MCL)部分断裂
    • 独立読影(画像診断専門医3名):3/3名一致で Ihara分類 Ⅳ(断端不明瞭/形態不良)

    〖Ihara分類 注釈〗
    I=直線的断裂/II=湾曲した断裂(単純完全断裂)/III=断端の変位を伴う断裂/IV=断端が不明瞭・形態不良(最も複雑)

    初期方針・治療開始

    • 開始日:2023年4月22日
    • 形態:松本じゅん接骨院のオンライン治療にて ナチュラリゼーション療法(Evo-Devo発達運動)を開始
    • 装具管理:膝伸展0〜30°を制限
    • 活動制限:歩行≤3,000歩/日を許可(現場での巡回・歩行は継続)
    • 自主運動:ナチュラリゼーションを1日3回(3か月間継続)

    2回目のMRI(約4か月後)

    • 撮影日:2023年8月31日
    • 独立読影(3名):3/3名一致で ACLOAS(native ACL)2型(菲薄化・伸長ありだが連続性保持
    • 解釈:Ihara Ⅳの複雑断裂像から、連続性の回復を示す所見へ移行

    〖ACLOAS(native 前十字靭帯)注釈〗
    0=正常(低信号・規則的)/1=肥厚や靭帯内高信号を伴うが形状・連続性は保持/2=菲薄化・伸長があるが連続性保持/3=連続性消失(欠損)

    3回目のMRI(約11か月後)

    • 撮影日:2024年2月6日
    • 所見:大きな変化はないが、ACLの連続性が確実に保持されていることを再確認

    その後の指導管理(MRI②以後)

    • MRI②で連続性回復を確認後、膝の完全伸展・可動域の回復を段階的に実施
    • 筋力訓練:大腿四頭筋を中心に膝周囲の筋力トレーニングを開始
    • 経過:受傷約11か月時点で、日常生活は問題ないレベルまで回復
    • 競技復帰:患者は年齢や再断裂への不安から、サッカー競技は再開していない

    結果

    • 初期:Ihara Ⅳ(最も複雑な断裂像)
    • 約4か月:ACLOAS 2(連続性回復)
    • 約11か月:連続性保持を再確認、ADL良好

    まとめ

    • 受傷(2023/03/19):右膝 前十字靭帯完全断裂+MCL部分断裂(サッカー中に滑倒・捻転)
    • MRI①(2023/04/07):Ihara Ⅳ(独立読影3/3名一致)
    • 保存的管理:オンライン下でのナチュラリゼーション療法(週次フォロー)+装具で0–30°伸展制限+≤3,000歩/日1日3回の自主運動
    • MRI②(2023/08/31):ACLOAS 2(独立読影3/3名一致)=連続性回復
    • MRI③(2024/02/06):連続性保持を再確認、ADL良好(競技復帰は未実施)

    参考文献

    1. Filbay SR, Dowsett M, Jomaa MC, et al. Healing of acute anterior cruciate ligament rupture on MRI and outcomes following non-surgical management with the Cross Bracing Protocol. Br J Sports Med. 2023;57(23):1490–1497.
    2. Ihara H, Kawano T. Influence of Age on Healing Capacity of Acute Tears of the Anterior Cruciate Ligament Based on MRI Assessment. J Comput Assist Tomogr. 2017;41(2):206–211.
    3. Roemer FW, Frobell R, Lohmander LS, et al. Anterior Cruciate Ligament OsteoArthritis Score (ACLOAS): Longitudinal MRI-based whole joint assessment of anterior cruciate ligament injury. Osteoarthritis Cartilage. 2014;22(5):668–682.

  • 前十字靭帯断裂の自然治癒 ケース46 – 12歳サッカー少年の奇跡

    前十字靭帯断裂の自然治癒 ケース46 – 12歳サッカー少年の奇跡

    小中学生の前十字靭帯断裂では、再建手術が骨端線を傷つけ成長を妨げるおそれがあるため、骨の成長が止まる年齢まで経過観察になることが多い。そこで手術に頼らず靭帯の連続性回復を目指すナチュラリゼーション療法が現実的な選択肢となる。本ページの症例46(日本人・12歳男子)は、この方針で保存的に管理し、約4か月後のMRIで連続性の回復(ACLOAS 2)を確認、その後は可動域と筋力を段階的に回復し、約1年で競技復帰に至った。
    前十字靭帯断裂の自然治癒療法前十字靭帯自然治癒の症例集

    患者情報

    • 年齢・国籍:受傷時12歳・日本人男子
    • 競技:サッカー

    受傷機転

    • 受傷日:2023年3月26日
    • 状況:試合中。相手の膝が左膝後方に当接 → 前方へ転倒 → 左膝を回旋して受傷

    初期対応

    • 2023年3月27日:整形外科受診。関節穿刺にて関節液+血液を排出
    • 2023年3月30日:MRI①=前十字靭帯(ACL)完全断裂
    • 独立読影(3名):3/3名一致で Ihara分類 断端の変位を伴う断裂

    【Ihara分類 注釈】Ⅰ=直線的な断裂/Ⅱ=湾曲した断裂(単純完全断裂に相当)/Ⅲ=断端の変位を伴う断裂/Ⅳ=断端が不明瞭な断裂

    MRI①(2023/03/30)
    MRI①(2023/03/30):ACL完全断裂。Ihara分類 c(独立読影3/3名一致)。

    初期方針・治療開始

    • 2023年4月1日:松本じゅん接骨院にて ナチュラリゼーション療法 開始
    • 来院:週1回 × 3か月
    • 在宅運動:1日3回(ナチュラリゼーション運動)
    • 管理:膝伸展0〜30°を制限/歩行 ≤3,000歩/日

    2回目のMRI(約4か月後)

    • 撮影日:2023年8月2日(MRI②)
    • 独立読影(3名):3/3名一致で ACLOAS 2型
    • 所見:連続性は回復。太さは完全ではないが、一定の太さと緊張を獲得

    【ACLOAS(native 前十字靭帯)注釈】0=正常(低信号・規則的)/1=肥厚や高信号を伴うが形状・連続性は正常/2=菲薄化・伸長はあるが連続性保持/3=欠損し連続性消失

    MRI②(2023/08/02)
    MRI②(2023/08/02):ACLOAS 2型(独立読影3/3名一致)。

    その後の指導管理(MRI②以後)

    • 可動域:全域へ回復
    • リハビリ:筋力トレーニング/ランニングを段階的に継続
    • 経過:受傷から約1年で、サッカーの練習・試合に復帰

    まとめ

    • 受傷(2023/03/26):左膝ACL完全断裂(接触 → 転倒 → 捻転)
    • MRI①(2023/03/30):Ihara分類 c(独立読影3/3名一致)
    • 保存的管理:ナチュラリゼーション 週1×3か月/在宅1日3回/0–30°制限/≤3,000歩
    • MRI②(2023/08/02):ACLOAS 2型(独立読影3/3名一致)
    • 以後:可動域全域・筋力強化 → 約1年で競技復帰

    参考文献:

  • 仕事を休めない肉体労働者が選んだ“手術しない道”——ACL自然治癒のリアル 症例45

    仕事を休めない肉体労働者が選んだ“手術しない道”——ACL自然治癒のリアル 症例45

    このページでは、スキー滑走中のコブ通過で左膝の前十字靭帯を完全断裂した「ハンガリー人・49歳男性」の症例(症例45)をご紹介します。手術は行わず、ナチュラリーゼーション療法(進化発達運動)によって靭帯の連続性を回復し、追跡の画像検査で良好な所見を得ました。

    前十字靭帯断裂の自然治癒療法前十字靭帯自然治癒の症例集

    症例45|前十字靭帯断裂から連続性回復までの自然治癒(49歳・ハンガリー人男性)

    患者情報

    • 年齢・国籍:49歳・ハンガリー人男性
    • 受傷日:2023年3月18日
    • 受傷機転:スキー滑走中、右ターン時に左膝へ違和感。滑走を継続し、最後のコブ通過時に破裂音を自覚。
    • 初期評価:同日X線で骨性異常なし、Lachman陽性
    • 初期装具:当初0–90°装具、3月20日に0–60°装具へ変更。

    初期方針と治療開始

    • 服薬:抗血栓薬を内服中であったが、自然治癒阻害の可能性を説明し約1か月で中止(主治医と相談)。
    • 治療開始2023年3月27日よりオンライン治療(ナチュラリゼーション療法)を開始。
      • 可動域:30–120°を許可
      • 歩行1日3,000歩以内を許可
      • 就労:肉体労働を装具装着のまま継続(0–30°回避を徹底)
      • 運動:ずりばい・ハイハイ等のナチュラリゼーション療法1日3回

    画像評価(独立読影3名)

    MRI①(2023年4月1日)

    • Ihara分類Ⅱが1名、Ⅲが2名 → 多数決はⅢ(断端変位を伴う完全断裂優位)

    【Ihara分類 注釈】
    Ⅰ=直線的な断裂 / Ⅱ=湾曲した断裂(単純完全断裂) / Ⅲ=断端の変位を伴う断裂 / Ⅳ=断端が不明瞭な断裂

    管理の実際(初期3か月)

    • 0–30°域の厳格回避30–120°の積極的許可で断端近接を図る。
    • 限定歩行(≤3,000歩/日)で循環・代謝・線維配向を促進しつつ過伸展・剪断ストレスを抑制。

    MRI②(2023年7月28日)

    • ACLOAS1(十分な太さで連続性回復)

    【ACLOAS(native 前十字靭帯)注釈】
    0=正常(低信号・規則的) / 1=肥厚や靭帯内の高信号を伴うが、形状・連続性は正常 / 2=菲薄化・伸長があるが連続性保持 / 3=欠損し連続性消失

    結果

    • 結果転移のある完全断裂(Ihara Ⅲ)だったが、数か月後のMRIで十分に太い状態で自然治癒した。(ACLOAS1)になった。

    • ポイント:仕事を休めず無理のある条件でも、0–30°を避ける動き+歩数制限+自宅運動靭帯が再びつながった

    考察

    長く固定せずに、0–30°の動きを避ける設計やさしい自動運動(open-chain)を続けた結果、靭帯の端同士が近づき→つながり→並びが整う流れを後押しできた可能性がある。血をサラサラにする薬は早めにやめたことで、治りやすい環境づくりに役立った可能性がある。仕事を続けながらでも、決めた角度と歩き方のルールを守れば自然に治る見込みは十分ある

    まとめ

    • スキー中の受傷、Lachman陽性。初回MRIでIharaⅢ優位
    • 0–30°回避・30–120°許可、≤3,000歩/日、ナチュラリゼーション 1日3回で管理
    • 約4か月後のMRIACLOAS1へ改善
    • 手術なし連続性回復を確認

    参考文献

    1. Filbay SR, et al. Healing of acute anterior cruciate ligament rupture on MRI following non-surgical management with the Cross Bracing Protocol. Br J Sports Med.
    2. Ihara H, Kawano T. Influence of age on healing capacity of acute ACL tears based on MRI assessment. J Comput Assist Tomogr.
    3. Roemer FW, et al. MRI-based assessment frameworks for native ACL integrity (ACLOAS): definitions and longitudinal application. Osteoarthritis and Cartilage.
    4. Frobell RB, et al. Treatment for acute ACL tear: A randomized trial with MRI outcomes. N Engl J Med.
    5. Kjaer M, et al. Mechanical loading and tendon/ligament adaptation: implications for rehabilitation. Scand J Med Sci Sports.

  • 症例44|前十字靭帯断裂から太く強い靭帯へ自然治癒|松本じゅん接骨院

    症例44|前十字靭帯断裂から太く強い靭帯へ自然治癒|松本じゅん接骨院

    このページでは、ボルダリング中の着地で右膝の前十字靭帯を完全断裂した「インドネシア人・カナダ在住・33歳女性」の症例(症例44)をご紹介します。手術は行わず、ナチュラリーゼーション療法(進化発達運動)によって靭帯の連続性を回復し、追跡の画像検査で良好な所見を得ました。

    前十字靭帯断裂の自然治癒療法前十字靭帯自然治癒の症例集

    患者情報:

    • 属性:インドネシア人・カナダ在住・女性・33歳
    • 受傷日:2022年11月19日
    • 受傷機転:ボルダリングの着地で右膝をねじり受傷
    • 初期評価:病院受診。徒手検査でラックマンテスト陽性

    初期評価と方針転換:

    • 画像検査(初回):2023年1月8日。独立した画像診断専門医3名の再読影で、Ihara分類は全員がⅡ型(=完全断裂だが、帯状繊維が湾曲しつつ連続)。
    • 方針転換:2023年1月6日より松本じゅん接骨院のオンラインでナチュラリーゼーション療法へ移行。従来のリハビリ(膝完全伸展を含むスクワット等)は中止。

    【Ihara分類 注釈】Ⅰ=直線的な断裂/Ⅱ=湾曲した断裂(単純完全断裂)/Ⅲ=断端の変位を伴う断裂/Ⅳ=断端が不明瞭な断裂

    初期3か月の管理(装具・活動):

    • 装具管理:装具を3か月間装着し、膝角度を30–120度に制限(完全伸展0度付近を回避)。
    • 活動制限:歩行は1日3,000歩以内
    • 運動療法:自宅でナチュラリーゼーション療法を継続。

    後期リハビリ(段階的再導入):

    約3か月の自然回復フェーズを確保したのち、痛み・腫脹・不安定感の軽減を確認してから、膝の完全伸展を含む可動域訓練とスクワット等の荷重トレーニングを段階的に再開(クォーター → ハーフ → フルの順に深さと負荷を調整)。体幹・股関節の協調と外反・ねじれ制御を優先した。

    画像再評価(追跡):

    • 撮影日:2023年8月8日
    • 所見:独立した画像診断専門医3名全員がACLOAS 1と判定(=靭帯がやや厚く、靭帯内に高信号を伴うが、形状と連続性は正常)。

    【ACLOAS(native 前十字靭帯)注釈】0=正常(低信号・規則的)/1=肥厚や靭帯内の高信号を伴うが、形状・連続性は正常/2=菲薄化・伸長があるが連続性保持/3=欠損し連続性消失

    考察:

    本症例は、初回所見がIharaⅡ型(単純完全断裂で連続性を保ちやすい)であった点、そして早期に進化発達練習へ一本化し、30–120度の角度制限+歩行3,000歩内+装具管理断端の接近と安定を優先した点が、連続性の回復に有利に働いたと考えられる。自然回復フェーズの後に完全伸展とスクワットを段階的に再導入したことで、組織ストレスを管理しつつ機能回復を仕上げられた。

    まとめ:

    • ボルダリング着地で右膝前十字靭帯を完全断裂(ラックマン陽性)。
    • 初回画像はIharaⅡ型(3名一致)湾曲しつつ連続
    • 進化発達練習へ切替え、装具で30–120度に3か月制限歩行3,000歩以内で負荷管理。
    • 約3か月後に完全伸展・スクワットを段階的に再導入
    • 追跡画像では全員がACLOAS 1と判定=形状・連続性が正常

    参考文献:

  • 〖自然治癒症例43〗ギリシャ人・50歳女性:前十字靭帯完全断裂が手術なしで良好に自然修復

    〖自然治癒症例43〗ギリシャ人・50歳女性:前十字靭帯完全断裂が手術なしで良好に自然修復

    このページでは、スキー中に左膝の前十字靭帯を完全断裂した「オランダ在住・ギリシャ人・50歳女性」の症例(症例43)をご紹介します。手術は行わず、ナチュラリーゼーション療法(Evo-Devo発達運動)靭帯の連続性を回復し、最終的にACLOASスコア1の良好な治癒所見を得ました。

    前十字靭帯断裂の自然治癒療法前十字靭帯自然治癒の症例集

    患者情報:

    • 属性:オランダ在住・ギリシャ人・女性・50歳
    • 受傷日:2023年3月2日
    • 受傷機転:スキーのリフト降車時、スキー板が交差し着地。膝が「八の字(外反)」となり、左膝を捻挫。スノーモービルでホテルへ搬送。
    • 初期対応:受傷約3時間後に病院受診。レントゲンで骨折なし。徒手検査ではラックマンテスト陽性

    初期評価と方針:

    • MRI(初回):2023年3月22日撮影。現地レポートは「左膝・前十字靭帯損傷。部分断裂の可能性あり」。
    • 外来理学療法(現地):3月2日〜3月17日まで、レッグプレス、膝関節伸展運動、ジャンプ、階段昇降などを実施。
    • 治療切替:2023年3月17日より松本じゅん接骨院オンラインでナチュラリーゼーション療法(Evo-Devo発達運動)へ移行。現地の理学療法(膝完全伸展やジャンプ等)は中止。

    治療内容:

    • 装具管理:膝装具を3か月間装着。0–30°の伸展制限を設定(完全伸展を避ける)。
    • 活動制限:歩行は1日1,000歩以内
    • 運動療法:自宅で1日3回ナチュラリーゼーション療法(Evo-Devo発達運動)
    • 後期リハ:3か月後に装具を除去し、可動域(完全伸展)と筋力強化を段階的に再導入。

    MRI診断(初回)とIhara分類:

    初回MRI画像を3名の独立した画像診断専門医が再評価し、Ihara分類は「2名がⅡ型、1名がⅢ型」でした。

    【Ihara分類 注釈】Ⅰ=直線的な断裂/Ⅱ=湾曲した断裂(単純完全断裂に相当)/Ⅲ=断端の変位を伴う断裂/Ⅳ=断端が不明瞭な断裂

    MRI再評価(約3か月後)とACLOAS:

    ナチュラリーゼーション療法(Evo-Devo発達運動)を3か月実施後に再度MRIを撮影。3名の診断医すべてがACLOAS(native 前十字靭帯)で「スコア1」と判定しました。

    【ACLOAS(native 前十字靭帯)注釈】0=正常(低信号・規則的)/1=肥厚や高信号を伴うが形状・連続性は正常/2=菲薄化・伸長はあるが連続性保持/3=欠損し連続性消失

    臨床経過:

    治療移行前は膝完全伸展運動やジャンプ・階段昇降などが行われていたため、当初は症状悪化の懸念があった。しかし、伸展制限・装具管理・ナチュラリーゼーション療法(Evo-Devo発達運動)の併用により、画像上は最高レベルの自然治癒所見(ACLOAS1)を獲得。日常生活動作は問題なく、主観的安定性も改善した。

    考察:

    本症例は、Ihara分類Ⅱ型(単純完全断裂)優位という切れ方と、受傷後比較的早期の治療移行が奏功し、ACLOAS1という良好な治癒ゴールに到達したと考えられる。受傷初期の「完全伸展を含む運動」や高負荷(レッグプレス、ジャンプ、階段昇降など)は断端接近を阻害し得るが、早期に伸展制限(0–30°)と装具管理へ切替え、ナチュラリーゼーション療法(Evo-Devo発達運動)を継続したことが、靭帯の連続性回復に有利に働いた可能性が高い。

    まとめ:

    • オランダ在住・ギリシャ人・50歳女性の左膝前十字靭帯完全断裂症例。
    • Ihara分類はⅡ型2名/Ⅲ型1名。切れ方は「単純完全断裂」優位。
    • 伸展制限(0–30°)+装具管理+ナチュラリーゼーション療法(Evo-Devo発達運動)を3か月継続。
    • 再MRIでは全員がACLOASスコア1と判定=最高レベルの自然治癒所見

    参考文献:

  • 【自然治癒症例42】スキー中に断裂した膝の前十字靭帯…彼女が選んだのは“手術しない”選択肢

    【自然治癒症例42】スキー中に断裂した膝の前十字靭帯…彼女が選んだのは“手術しない”選択肢

    このページでは、スキー中に左膝前十字靭帯(ACL)を完全断裂した42歳シンガポール人女性が、手術を選ばずにナチュラリーゼーション療法により自然癒合を目指した症例をご紹介します。

    前十字靭帯断裂の自然治癒療法

    前十字靭帯自然治癒の症例集

    患者情報:

    • 年齢・性別・国籍:42歳・女性・シンガポール人
    • 受傷日:2022年12月11日
    • 受傷状況:日本でスキー中、こぶの上でつまづいて左膝を捻り受傷
    • 初診日:2022年12月13日(レントゲン異常なし・ラックマンテスト陰性)
    • MRI撮影日(初回):2022年12月22日
    • 診断名:左膝前十字靭帯完全断裂

    治療内容:

    • 開始日:2022年12月27日
    • 治療法:ナチュラリーゼーション療法(オンライン)
    • 装具:伸展制限0–30度の制限付きで装着
    • 活動制限:1日3,000歩以内の歩行
    • 頻度:1日3回、自宅で実施
    • 治療期間:約5か月半

    MRI診断(治療前):2022年12月22日

    3名の独立した画像診断専門医がIhara分類に基づき評価。

    • Ihara分類:2名がⅢ型(完全断裂、断端の転移)、1名がⅡ型(完全断裂、断端の転移なし)

    MRI再評価:2023年6月1日

    3名の画像診断専門医がACLOASスコアに基づいて再評価を実施。

    ACLOASスコア定義:

    • スコア0:正常な靭帯。低信号強度で形状・太さ・連続性ともに正常
    • スコア1:靭帯が厚い/高信号を含むが、形状と連続性は保たれている
    • スコア2:靭帯が細く/伸びているが、連続性は保たれている
    • スコア3:靭帯が欠損し、連続性が失われている

    本症例の再評価結果:

    • ACLOASスコア:3名すべてがスコア1(連続性あり・厚い)と評価

    考察:

    本症例では、受傷後に一度は膝伸展運動を含むリハビリが実施されていたが、その後すぐに伸展制限を伴うナチュラリーゼーション療法へ移行した。治療前のMRI評価では変位ありとされたACL断裂が、治療約5か月後には3名すべてがスコア1(連続性あり・太い)と評価。これは前十字靭帯が自然癒合し、構造的連続性を取り戻した可能性を示唆している。2024年1月、ランニング中に足を踏み外し、左膝に強い衝撃を感じた。再断裂した可能性が高いが、MRI撮影は行わなかった。症状が安定後、リハビリを開始し、日常生活では問題ないレベルまで回復した。レクレーションレベルのスキーやハイキングを行えるようになった。

    参考文献:

  • 【症例報告41】ハンガリー人33歳男性:前十字靭帯断裂から自然治癒に至った一例

    【症例報告41】ハンガリー人33歳男性:前十字靭帯断裂から自然治癒に至った一例

    このページでは、サッカー中に右膝前十字靭帯(ACL)を完全断裂した33歳ハンガリー人男性が、手術を行わずにナチュラリゼーション療法により自然癒合を目指した症例をご紹介します。

    前十字靭帯断裂の自然治癒療法

    前十字靭帯自然治癒の症例集

    患者情報:

    • 年齢・性別・国籍:33歳・男性・ハンガリー人
    • 受傷日:2023年3月20日
    • 受傷状況:サッカー中に相手の蹴りを受け、膝が内側に捻じれて断裂音と膝崩れが発生
    • 初診日:2023年3月21日(ラックマンテスト陽性、MRI実施)
    • 診断名:右膝前十字靭帯断裂

    治療内容:

    • 開始日:2023年3月22日
    • 治療法:ナチュラリゼーション療法(オンライン)
    • 装具:伸展制限0-30度で装着
    • 活動制限:1日3,000歩以内の歩行
    • 治療期間:約3か月

    MRI診断(治療前):2023年3月21日

    3名の画像診断医がIhara分類に基づいて評価。

    • Ihara分類グレード3:3名全員が完全断裂(断端の転移あり)と判定

    MRI再評価:2023年7月31日

    3名の画像診断専門医がACLOASスコアに基づいて再評価を実施。

    ACLOASスコア定義:

    • スコア0:正常ACL(形状・信号ともに正常)
    • スコア1:靭帯が太い/高信号を含むが、形状と連続性は正常
    • スコア2:細く/伸長しているが、連続性は保たれている
    • スコア3:断裂、連続性なし

    本症例の再評価結果:

    • スコア2:3名とも同評価

    考察:

    Ihara分類グレード3は断端が転移しており、自然癒合は困難とされるタイプであるが、本症例では適切な伸展制限とナチュラリゼーション療法の継続により、3名全員がスコア2(連続性あり)と評価した。これは、ACLが自然癒合した可能性を示唆するものである。

    参考文献:

  • 【症例報告】ケース40:前十字靭帯断裂の自然治癒(49歳・シンガポール人女性)

    【症例報告】ケース40:前十字靭帯断裂の自然治癒(49歳・シンガポール人女性)

    このページでは、前十字靭帯(ACL)を完全断裂した49歳女性が、手術を行わずにナチュラリゼーション療法により自然治癒した症例をご紹介します。

    前十字靭帯断裂の自然治癒療法

    前十字靭帯自然治癒の症例集

    患者情報:

    2023年3月6日、マーシャルアーツのジャンプキックを行った際、左膝に断裂音を感じ、着地時に転倒。3月17日にMRI撮影を実施し、以下の所見が得られた。

    2023/03/17:ACL断裂(Ihara分類Ⅳ)

    受傷後、理学療法士の指導により膝伸展運動を数セッション実施。約10日間にわたり膝崩れを経験。3月28日より松本じゅん接骨院のオンライン治療にてナチュラリゼーション療法を開始。装具は装着せず、1日3,000歩以内での歩行を許可。4月に日本へ旅行した際は車椅子を利用し、歩行を最小限に制限した。

    2023/07/29:ACLOAS score2

    ACLOASスコア評価:
    スコア2(後外側線維は癒合/前内側線維は未癒合)

    考察:

    本症例は、Ihara分類グレードⅣのような高度断裂で、断端がモップ状となっており、自然治癒が困難とされる形態であった。初期に適切な運動制限ができず、装具も用いなかった点も癒合に影響した可能性がある。その後のインタビューでは、日常生活に支障はないが、高強度な運動やピボット動作では膝の不安定性を感じていた。十分な機能回復と筋力強化には1年以上のリハビリが必要であった。

    参考文献:

  • 【ケース39】前十字靭帯完全断裂から自然治癒した36歳男性スキーヤーの症例報告

    【ケース39】前十字靭帯完全断裂から自然治癒した36歳男性スキーヤーの症例報告

    このページでは、前十字靭帯(ACL)を完全断裂した36歳男性が、手術を行わずにナチュラリゼーション療法により自然治癒した症例をご紹介します。

    前十字靭帯断裂の自然治癒療法

    前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

    患者情報:

    • 年齢・性別:36歳・日本人男性
    • 受傷日:2023年2月4日
    • 受傷状況:スキー滑走中に転倒し、左膝をひねる
    • 初期対応:レントゲン撮影、関節穿刺、応急装具処置

    2023年2月7日にMRIを撮影し、前十字靭帯断裂と診断された。後に3名の画像診断専門医に再評価を依頼し、3名全員がIhara分類グレード4(断裂、水平配向、または不明瞭)と判定した。

    2023年2月7日MRI画像

    治療内容:

    • 治療開始日:2023年2月14日
    • 装具使用:なし(初期から軽度屈曲位での歩行許可)
    • 運動療法:ナチュラリゼーションを1日3回実施
    • 治療期間:約4か月

    徒手検査(2023年5月2日)

    テスト名結果
    ラックマンテスト±(わずかに緩み)
    ピボットシフトテスト陰性
    レバーアームテスト陰性

    MRI再評価(2023年6月16日)

    3名の画像診断専門医がACLOASスコアに基づいて評価を行った。

    ACLOASスコア定義:

    • スコア0:ACLは健常(形状・信号ともに正常)
    • スコア1:靭帯が太くなっている、または靭帯内に高信号があるが、形状・連続性は正常
    • スコア2:靭帯が細くなったり伸びたりしているが、連続性は保たれている
    • スコア3:ACLが断裂し、連続性がない

    本症例の評価結果:

    • スコア1:2名
    • スコア2:1名
    2023年6月16日MRI画像
    ▲ 2023年6月16日:連続性が回復し、構造的に再建されたACL像

    考察:

    Ihara分類グレード4という高度な断裂形態でありながら、ナチュラリゼーション療法の継続により靭帯断端の接近・治癒が促進された可能性がある。ACLOASスコア1が2名、スコア2が1名という評価結果と、臨床的な安定性の回復を踏まえると、本症例はACLの自然治癒が十分に達成された例であると考えられる。

    ✅まとめ

    年齢・性別36歳男性
    損傷形態Ihara分類グレード4
    治療方法非手術(ナチュラリゼーション+装具なし)
    治療期間約4か月
    MRI評価ACLOASスコア1(2名)、スコア2(1名)
    徒手評価ラックマン±、ピボット陰性、レバー陰性
    結論複雑な断裂でも自然治癒が可能であることを示した症例

    参考文献:

  • 前十靭帯断裂の自然治癒 ケース38

    前十靭帯断裂の自然治癒 ケース38

    前十字靭帯断裂の自然治癒療法

    前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

    患者情報:

    43歳、女性、日本人

    受傷機転:

    2023年1月4日、スキー滑走中に転倒し、左膝を内側に捻った。翌日、MRI撮影を行い以下の診断を得た。

    左膝前十靭帯断裂(Ihara分類Ⅱ型
    左膝内側側副靭帯損傷

    受傷後の経過:

    受傷後、整形外科にて受診した際、ラックマンテストは陽性であった。また、関節穿刺によって関節血種を2回除去した。通院によるリハビリを2回受けたが、膝関節完全伸展は行わなかった。受傷から約1ケ月の2月3日から、当院の自然治癒療法をオンラインにて開始した。日常では装具を装着し、ナチュラリゼーション運動療法を4カ月間継続した。自然治癒療法開始から約4ケ月後、2回目のMRI撮影を行った。

    MRIの結果:

    当院が依頼した3名の画像診断医全員がACLOAS分類でScore 1(靭帯は連続しており形状も保たれているが、肥厚や高信号を伴う)と診断した。

    その後の経過:

    断裂していた前十字靭帯は、十分な太さと緊張度を伴った形で自然治癒したと判断した。これを受けて、患者には受傷前と同等の運動レベルへの復帰を目指し、さらなるリハビリテーション指導を行った。

    考察:

    本例の前十字靭帯断裂はIhara分類Ⅱと判定され、これはシンプルな完全断裂である。断端同士が近くあったため、治療結果も良好であったと推察される。

    参考文献: