前十字靭帯断裂の自然治癒 ケース37 反対側の前十字靭帯損傷にも気を付けて!

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前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

44歳、男性、クロアチア人

受傷機転:

2022年11月5日、テニスのプレー中に左膝を捻った。11月9日にMRI撮影を行い、以下の診断を得た。

前十字靭帯断裂(単純完全断裂(Iharaの分類Ⅱ))

受傷後の経過:

受傷後は、理学療法などは行わず、安静にしていた。11月13日より、当院のオンライン治療を開始し、ナチュラリゼーション運動を自宅で3カ月間継続した。そして、2023年2月14日に、2回目のMRI撮影を行った。

MRIの結果:

断裂した前十字靭帯はその連続性を回復していた。しかしながら、MRIではまだ色が薄く、十分な太さを回復していなかった。その後、ナチュラリゼーション運動を継続し、3ヶ月後に三回目のMRI撮影を行った。

MRIの結果:

前回よりも前十字靭帯の色は濃くなり、太さも増していた。

その後の経過:

断裂した前十字靭帯は十分に自然治癒したと判断し、患者にはスポーツ復帰の許可を出した。患者は、段階的に運動強度を増していき、最終的に受傷前と変わらないレベルでテニスが出来るようになった。しかしながら、翌年の2024年8月頃、テニスのプレー中に逆側の右膝に違和感を感じた。1週間運動を休み、その後テニスを再開したが、違和感は残ったままであった。そして、同年10月1日にMRI撮影を行った。

MRIの結果:

MRIでは、右膝の前十字靭帯は部分損傷を示していたが、その連続性は概ね保たれていた。

考察:

最初に受傷した左膝の前十字靭帯は十分に自然治癒し、その後、スポーツ復帰も果たした。しかしながら、その後反対側の前十字靭帯を損傷してしまった。前十字靭帯損傷後に、反対側の前十字靭帯も損傷する確率は少なくないと言われているが、本患者はそれを体現してしまった。前十字靭帯再建や自然治癒後は、左右のバランスが崩れやすいことから、反対側も受傷しやすいと考えられる。そのため、左右差を最小化し、体のバランスを保つトレーニングの継続が必要であると考える。

参考文献:

前十字靭帯断裂の自然治癒 ケース36 中国系ビジネスマン

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前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

30歳、男性、中国系オーストラリア人

受傷機転:

2023年2月19日、スキーで滑走中に左膝を捻った。その後、病院でX線撮影するも異常なし。3月2日にMRI撮影を行い以下の診断を得た。

前十字靭帯断裂(単純完全断裂(Iharaの分類Ⅱ))

受傷後の経過:

受傷後、1日だけ装具を着用し、その後は膝伸展運動を含むリハビリテーションを行った。3月10日より、当院のオンライン治療を開始し、ナチュラリーゼーション運動療法を1日3回、2カ月間行った。その間は、他のリハビリテーション運動は一切禁止した。5月4日、2回目のMRI撮影を行った。

MRIの結果:

断裂した前十字靭帯は、その連続性を十分な太さをもって回復していた。(ACLOASスコア1)

考察:

患者の意思により、治療開始から2カ月目という早い時期でのMRI撮影であったが、十分な前十字靭帯の連続性を確認できた。本症例は、前十字靭帯の断裂タイプⅡという単純完全断裂であった事が早期治癒の要因と考えられる。医師の指示により、膝完全伸展を含むリハビリテーションを行っていたが、本症例では、自然治癒に対して悪影響は見られなかった。

参考文献:

前十字靭帯断裂の自然治癒 ケース35 インド人高校生

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前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

17歳、男性、インド人

受傷機転:

2022年10月19日、サッカーの試合中に、相手にタックルをしかけた時に、右膝を捻った。捻った時に、右膝から断裂音を聞いた。翌日、MRI撮影を行い、以下の診断を得た。

右膝前十字靭帯断裂(断端が離開している(Iharaの分類Ⅲ))

受傷後の経過:

 受傷後、膝崩れを何度か繰り返した。装具装着後は、膝崩れは起きていない。インドの病院で、膝の完全伸展を含むリハビリ運動を開始した。11月3日より、オンラインにて当院のナチュラリゼーション療法を開始した。オンライン治療と自宅でのナチュラリゼーション療法を5ケ月間継続し、2023年3月31日に、二回目のMRI撮影を行った。

MRIの結果:

 断裂した前十字靭帯は、その連続性を回復し、ある程度の緊張度も保持していた。断裂部分であった大腿骨付着部から1/3辺りの靭帯の太さは細いままであった。(Iharaの治癒分類B

その後の経過:

 その後、筋力トレーニングや可動域回復訓練を行い、日常生活を問題なく送れるまでに回復した。治療開始から一年後の2023年11月3日、三回目のMRI撮影を行った。

MRIの結果:

 3回目のMRIの結果は、2回目のものとほぼ同様であり、断裂部の靭帯の太さは細いままであった。

考察:

 今回の症例は、断端同士が離開した完全断裂であったが、ナチュラリゼーション療法によって連続性を回復し、自然治癒を達成した。しかしながら、その治癒形態は一部に靭帯の細さが残り、患者のスポーツ復帰には不安が残ることになった。前十字靭帯損傷後、多くの医師は、膝の完全伸展を含むリハビリを早期に指示している現状がある。今回の症例でも、患者は早期に誤ったリハビリを開始していた。受傷後の膝完全伸展運動の有無は、治療成績に影響を与えうる要因と考え、治療成績の統計データを今後も収集していく。

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前十字靭帯断裂の自然治癒 ケース34 32歳 パナマ人ビジネスマン

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前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

32歳、男性、パナマ人

受傷機転:

2022年8月21日、バスケットボールの試合中に、左足で踏み切ってジャンプした時に、左膝から断裂音を感じた。そのまま動けなくなり、病院へ搬送された。同日にMRI撮影を行い、以下の診断を得た。Lachman テストは陽性であった。

前十字靭帯断裂(断端が不明瞭Iharaの分類Ⅳ)

受傷後の経過:

2022年9月13日より、当院のオンライン治療にてナチュラリゼーション療法を開始した。オンライン治療と自宅でのナチュラリゼーションを継続し、治療開始から4ヶ月後に再度MRI撮影を行った。

MRIの結果:

 断裂した前十字靭帯は、緊張性を有していないが、その連続性は回復していた。大腿骨付着部付近の線維は細い形態であるが、以下末梢部分は十分な太さを有していた。(Iharaの治癒分類B

考察:

 本例の前十字靭帯断裂は、断端が不明瞭であり、自然治癒は難しいとされる切れ方であった。その予想に反し、受傷後5ヶ月後のMRIでは、その連続性を回復し、比較的良好な結果を得ることができた。その後、リハビリを重ね、日常生活を問題なく送れるまでに回復し、ジョギングなどの軽い運動は行えるようになった。

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前十字靭帯断裂の自然治癒 ケース33 17歳男子スケートボーダー

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前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

17歳、男、アメリカ人

受傷機転:

2022年6月11日、スケートボードのジャンプの着地に失敗し、右膝を捻った。6月25日にMRI撮影を行い、以下の診断を得た。

前十字靭帯断裂(断端が不明瞭Iharaの分類Ⅳ))
外側側副靭帯損傷

受傷後の経過:

2022年8月3日より、当院のナチュラリゼーション療法をオンラインにて開始した。オンライン治療と自宅でのナチュラリゼーションを継続し、治療開始から5ヶ月後に再度MRI撮影を行った。尚、患者は機能的装具を使用していなかった。

MRIの結果:

 断裂した前十字靭帯は、太く緊張性のある形態で連続性を回復していた。(Iharaの治癒分類A

考察:

 若年層の前十字靭帯断裂は、その繊維が柔らかいことから、断裂時に不明瞭な断裂になるケースが多くみられる。本症例も、同様に不明瞭な断裂端を有しており、自然治癒は困難であると予想できた。さらに、治療開始時期も受傷後8週間と遅く、自然治癒の成功は危ぶまれた。しかし、その予想に反し、太く緊張性のある形態で自然治癒していた。Iharaの治癒分類では、最高グレードAに分類される。一つ残念なことは、治療期間中に、内側及び外側半月板を軽度であるが損傷していたことである。患者は機能的装具を着用しておらず、私もその指示をしていなかった。こういった例を鑑みて、2023年からは患者全員に装具の着用を指示している。

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元日本代表選手の前十字靭帯断裂の自然治癒 ケース32

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前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

38歳、男性、日本人

受傷機転:

2022年9月11日、サッカーの試合中に、相手が左からぶつかってきた。その時、右足で踏ん張った時に、右膝が不自然な方向へ捻じれた。当日に病院へ行き、翌日にMRI撮影を行い、以下の診断を得た。

右膝十字靭帯断裂(中間部での断裂、かつ断端同士が離開しているIharaの分類Ⅲ))

受傷後の経過:

 9月15日に、別の病院を受診した。ラックマンテストの結果は陽性であった。9月19日に、関節穿刺によって関節液を摘出した。その後、腫脹は無く、膝屈曲90度まで可能であった。

 10月3日に、当院に来院した。ラックマンテスト陽性、レバーアームテスト陽性、ピボットシフト陰性であった。ナチュラリゼーション運動療法を開始し、自宅でも毎日継続した。10月18日に再度MRI検査を行った。

 断裂した前十字靭帯の自然癒合が確認された。その後もナチュラリゼーションを継続し、12月15日と翌年1月19日にMRI検査を行った。

 前十字靭帯の連続性も十分に確認でき、弛みも改善していた。

考察:

 患者は、元ビーチサッカーの日本代表選手というトップアスリートであった。まだ現役レベルでサッカーをやりたいという希望があり、頻繁にMRI撮影を行い、その治癒過程をつぶさに確認してきた。医者のみならず、周囲のサッカー関係者全員が手術を勧める中、自然治癒療法を選択したことは英断であった。画像診断による治癒レベルは、受傷後4カ月目に於いてグレードⅡであった。ハイレベルでのサッカーへの復帰は心配されたが、リハビリを重ね、数ヶ月後にはサッカーへ復帰していった。

参考文献:

前十字韌帶斷裂癒合 變形癒合 案例9

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前十字韌帶斷裂自然癒合在線治療

前十字韌帶斷裂自癒病例個案總記錄

前十字韌帶自然癒合FB社區

小红书

患者信息:

30岁,男性,香港人

受伤机制:

2023年8月20日,在一场足球比赛中,他在带球过人的时候扭伤了左膝。当时听到了一声撕裂声。

受伤后的过程:

第二天,他去看了家庭医生,被认为需要进行MRI检查。9月12日,他进行了MRI检查,得到了以下诊断:

左膝前十字韧带断裂(近端断裂,断端分离Ihara分类III
内侧副韧带损伤 I级
外侧副韧带损伤 I级

在MRI检查后,他在理疗师的指导下继续进行了八天的功能恢复训练。规定的运动包括健身车、膝关节伸展运动和深蹲。从9月23日,他开始在我们诊所的线上自然愈合疗法。12月27日,他进行了第二次MRI检查。

根据MRI图像,撕裂的断端已经与后十字韧带粘合。12月28日,他在香港进行了面对面的会诊,拉赫曼测试和轴移测试均为阴性。之后,在第二年2月2日和4月27日进行了后续的MRI检查。

根据4月27日的MRI,影像诊断医生认为撕裂的前十字韧带显示出纤维重建的松弛和弱化的结构。5月4日,患者重新开始踢足球,但在比赛中滑倒时听到了一声无痛的撕裂声。

讨论:

该病例的结果是前十字韧带与后十字韧带粘合的畸形愈合。推测导致畸形愈合的原因有两个。一个是撕裂的断端不仅分离,而且不清楚。另一个是,在开始自然愈合疗法之前,已经进行了手术准备的康复训练。涉及膝关节完全伸展的运动被认为会阻碍自然愈合。未来,我们计划比较进行膝关节完全伸展运动的组与不进行的组的愈合结果。

参考文献:

前十字靭帯断裂の変形治癒 ケース9

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前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

30歳、男性、香港人

受傷機転:

 2023年8月20日、サッカーの試合中に、ドリブルで相手のタックルをかわした時に、左膝を捻った。その時に断裂音を自覚した。

受傷後の経過:

 翌日、ファミリードクターを受診し、MRI検査が必要と判断された。9月12日にMRI検査を受け、以下の診断を得た。

左膝前十靭帯断裂(近位部での断裂、かつ断端同士が離開しているIharaの分類Ⅲ))
内側側副靭帯損傷 GradeⅠ
外側側副靭帯損傷 GrageⅠ

 MRI検査後、理学療法士から指導された機能回復訓練を8日間継続した。指導された運動メニューは、エアロバイク、膝伸展運動やスクワットなどが含まれていた。9月23日より、当院のナチュラリゼーション療法をオンラインにて開始した。12月27日に二回目のMRI検査を受けた。

 MRI画像から判断すると、断裂した両断端と後十字靭帯が癒合していた。12月28日に香港にて対面で面会し、ラックマンテスト及びピボットシフトテストを行ったが、両方ともに陰性であった。その後、翌年2月2日と4月27日にMRI検査を行った。

4月27日のMRIに対する画像診断医の見解では、断裂した前十字靭帯は、靭帯繊維の再構成を伴う、緩んで弱った形態を呈していた。5月4日、患者はサッカーのプレーを再開したが、プレー時に足を踏み外してしまい、その時に痛みを伴わない断裂音を聞いた。

考察:

 本症例の結果としては、後十字靭帯への癒着を伴う変形治癒であった。変形治癒に至った原因を推測し、2つの原因をここに挙げる。一つは、断裂端同士が離開しているだけではなく、断裂端が不明瞭であった。もう一つは、自然治癒療法の開始前に、手術へ向けたリハビリを既に実施していたことが挙げられる。膝の完全伸展を伴う運動は、自然治癒の妨げになると考えている。今後、症例を更に重ね、膝完全伸展運動を行った群と行わなかった群との治癒成績の比較検証を行うつもりである。

参考文献:

前十字靭帯断裂の変形治癒 ケース8

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前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

55歳、女性、日本人

受傷機転:

 2022年3月7日、スキー中に転倒した際、右スキー板が雪に刺さったまま倒れこんだ。

受傷後の経過:

 事故した当日に救急病院へ運ばれ、X線撮影を行ったが骨折は無かった。翌日、地元の整形外科を受診し、関節穿刺によって関節液を抜かれた。3月15日にMRI撮影を行い、以下の診断を得た。

右膝前十字靭帯断裂(近位1/3での断裂、かつ断端同士が離れている。(Iharaの分類Ⅲ))

 2022年4月18日より、当院のナチュラリゼーション療法をオンラインで開始した。4ヶ月間、定期的にオンライン治療を受診し、8月17日に再度MRI撮影を行った。尚、この期間、機能的装具は装着していなかった。

 2回目のMRI検査では、断裂した前十字靭帯が癒合している様は確認できなった。しかしながら、脛骨側の断端が緊張していることから、本来の位置ではない箇所に癒合している可能性があった。その後もナチュラリゼーションを継続し、11月11日に3回目のMRI撮影を行った。

 3回目のMRI検査でも、断裂した前十字靭帯の自然治癒は明確には確認できなかった。しかしながら、矢状面と前額面の写真を総合的に精査すると、脛骨側の断端が大腿骨外顆内側面に癒合している判断した。その後、オンライン治療は中止し、PRP注射による再生医療を開始した。翌年の2023年8月31日に再度MRI撮影を行った。

 既に、大腿骨外顆内側面へ癒合していたことから、本来の位置へ自然治癒することは確認できなかった。

考察:

 本症例では、断裂した前十字靭帯が理想的な形態で自然治癒することは出来なかった。結果としは、大腿骨外顆内側面へ癒合という変形治癒であった。機能的には、関節は安定しており、患者曰く、日常生活には問題ないレベルまで回復した。患者へは、装具の装着を指示しなかったが、本症例以降、全ての患者へ装具装着を指示している。

参考文献:

前十字靭帯断裂の変形治癒 ケース7

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前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

13歳、女性、日本人

受傷機転:

 2023年6月10日、バスケットボールの練習試合中に自力で転倒し、左膝を捻った。

受傷後の経過:

 6月12日にMRI撮影を行い、以下の診断を得た。

左膝前十靭帯断裂(断端同士が弛んでいる。(Iharaの分類Ⅱ))

 画像から新鮮外傷と確認できるが、二年前から膝が外れるたように感じたことが数回あった。しかし、直ぐにそのような症状は消失していた。今回の診察時に関節穿刺による関節液採取は行われなかった。受傷後、膝崩れは無かった。病院でのリハビリは受けず、当院のナチュラリゼーション療法を6月24日から開始した。当院のナチュラリゼーション療法を4ケ月間継続し、10月25日に再度MRI撮影を行った。

結果:

 二回目のMRI検査では、断裂した前十字靭帯の自然治癒は確認できなかった。

考察:

 本症例では、自然治癒は確認できず、更に、後十字靭帯等へ癒着による変形治癒も殆ど確認できなかった。十分に自然治癒可能な断裂形態にもかかわらず、自然治癒が成功しなかった理由は正確には分からないが、考えられる2つの理由を挙げる。一つは、低年齢女子の靭帯は、成人や同年代の男子に比べて自然治癒の成功率は低いという研究報告がある。二つ目は、通学時の移動手段の問題である。長距離の徒歩や自転車での通学を控える旨を伝えているが、家庭の事情により、送迎が出来ない場合がある。同症例の場合は、常に送迎が出来る環境ではなかった。今後、低年齢層の治癒率を向上させるために、治療法や生活環境に新たな工夫を施す必要性がある。

参考文献: