第45弾!十年間の集大成 2018.5.15

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こんにちは、松本淳です。

最近はぐっすり眠れてハムスト以外は絶好調です。

どうやらヒノキの花粉で体調を崩していたのかなと疑っています。

花粉症という程の症状は出ないのですが、しばらくは何か呼吸が苦しかったです。

寝ている時も鼻呼吸が出来ない時期が一ヶ月くらいありました。

ハムストはダッシュした時に痛めまして、すぐ治るだろうと放置していても中々治らず。

今までハムストなんか痛めた事無いんで、おかしいなと思いました。

いろいろ考えてみると、ハムストのトレーニングを最近始めたんですね。

ハムストが弱い人がいて、その人の為に新しいトレーニングを一緒にしていたんです。

私はハムストが強いタイプなので、私にとったら余計なトレーニングだった訳です。

ナチュラリゼーション千日行を終えてからは、かなり余計な事をしています。

自分の体を使って実験をしているので、悪い反応が出たりはしますね。

ここ最近は悪い反応ばかり!(笑)

悲しい事に最近ぜんぜん走れないんです。

走るとあちこち痛くなるわけです(涙)

私の体は去年がピークでそれから下降気味で、今は不の連鎖が起きています。

左利きにしたらどうなるか?

90度以上のターンアウトをしていったらどうなるか?

そんなかなり極端な実験をしているので体がびっくりしているようです。

自分の体と向き合えない人が、人の体と向き合えないと思っているので、

これからも自分の体のレベルを上げる為に実験はしていくつもりです。

今やっている事は数年後から十年後に結果が表れます。

今の結果は今までやってきた事の結果なんですね。

今年の9月で私が開業して十年になります。

今は前十字靭帯断裂の患者が来ていますが、今月末に受傷後3ヶ月のMRIを撮ります。

十字靭帯に関しては十年間ずっと考え続けてきました。

結果はまだ分かりませんが、成功でも失敗でも私の十年間の一つの集大成になります。

失敗してもまたやりますけど(笑)

ナチュラリゼーションに関してはまだ四年目です。

四年目の野球少年迅君の成長を見ていますが、まだ150キロは出ていません。

春はアレルギーで指の皮がぼろぼろになる体質で春季大会は不発でした(涙)

3年目の陸上少女花梨さんは、ようやく不の連鎖から解放されて成長中です。

来週は関東インカレ観に行ってきます。

7年目の優人君は今も負の連鎖の真っただ中。

中学の時はサニブラウンよりも速かった天才ですが。。。

私が早熟を加速させてしまったのかと後悔しています。

2年目のケニア人サイモン君は絶好調らしいです(笑)

3年間を終えたちびっこ達は何人もいますが、まだ若いので結果はあと三年かかります。

桃栗三年、柿八年。

いつも読んで頂いてありがとうございます。

では、またお会いしましょう。

2020年8月のレッスン&セミナー情報 Naturalization seminar in August,2020


2020年8月のセミナー&レッスン情報を更新しましたのでお知らせ致します。

8月30日(日)新宿御苑ナチュラリゼーションEVO.セミナー

0歳~一般、アスリートまでご参加頂けます。

会場:新宿御苑 

①9:00-10:30 
②10:30-12:00


ナチュラリゼーションEVO.の屋外レッスン。あらゆる競技のアスリートから体にお悩みのある一般の方までご参加頂けます。前十字靭帯断裂等の外傷の治療も受け付けています。雨天決行です。

受講料(税込)
プライベートレッスン 学生以下 2万円、一般 3万円

グループレッスン お一人様 学生以下 1万円、一般2万円

キャンセルは7日前までは無料です。6日〜前日はレッスン料の半額、当日は全額のご負担をお願い致します。

京都レッスンは料金は異なります。
ご予約お待ちしております。

会場:松本じゅん接骨院

お問い合わせ

ivanivankov@yahoo.co.jp

Naturalization EVO. Seminar will be held in Tokyo,August 30,2020. In this seminar you can learn the essences of Naturalization step by step. Naturalization is the name of the exercises which are based on the evolution and the development of human beings. Many of the musculoskeletal disorders are caused by the lack of  the development movements during 0-year old age. In this seminar, you will learn:

  1. Learn the 0-year old exercises precisely, and why those are important for our healthy life.
  2. How to overcome musculoskeletal disorders by Naturalization approach.
  3. How to improve physical abilities by Naturalization exercises.

Naturalization exercises involve all of the body parts and let them move with natural coordination. As you complete all of the exercises, you will retrieve natural body and movements.

Tokyo seminar

Date: August 30, 2020
class 1: 9:00-10:30, class 2: 10:30-12:00

Place:Shinjuku Gyoen National Garden

Fee: private lesson 30,000 yen for one seminar

group lesson 20,000 yen for one person for one seminar

Entry qualification: Anyone

Kyoto seminar is always open at Jun Matsumoto Natural Therapy Office.

How to entry: Please send the information of your name and the course of your preference via email ivanivankov@yahoo.co.jp

I sincerely appreciate for your interest in Naturalization.

Jun Matsumoto

進化機能解剖学9 肩の進化論2

今回は、上肢帯の起源である「肩帯」について解説していく。

脊椎動物の起源は、ナメクジウオが属する頭索動物であるという説が有力であり、その頭索動物から魚類が誕生した。

魚類の鰭が陸上生活で進化してしたものが手や腕となった。

上肢帯の基部を構成する部分を「肩帯」と呼び、以下の骨で構成される。

肩甲骨

上肩甲骨

前烏口骨

烏口骨

上鎖骨(擬鎖骨)

上上鎖骨(上擬鎖骨)

鎖骨

間鎖骨

ここで挙げた骨は特定の動物群にしか現れない物や、進化の過程で消滅したりする物が含まれており、これら全てを同時に持つ脊椎動物はいない。

間鎖骨以外は左右対である。(1)

まずは魚類の肩帯について紹介する。

コイ科魚類の骨格(2)

上野輝彌・坂本一男(1999)『魚の分類の図鑑』 東海大学出版会 より

上擬鎖骨(20)擬鎖骨(21)肩甲骨(22)烏口骨(23)

頭部側面観(3)

上野輝彌・坂本一男(2005)『新版 魚の分類の図鑑』 東海大学出版会 より

烏口骨(CC)擬鎖骨(CL)肩甲骨(S)上擬鎖骨(SCL)

肩帯とそのいろいろな骨(3)

落合明編(1994)『魚類解剖大図鑑』 緑書房 より

後側頭骨(PT)上擬鎖骨(SCL)擬鎖骨(CL)肩甲骨(S)後擬鎖骨(PCL)烏口骨(CC)

肩帯を構成する骨において、鎖骨群は頭蓋骨後縁部から派生した骨であるため、頭蓋骨と同じく皮骨性骨格である。

その他の骨は内骨格性骨格である。

一部の魚には、俗に「鯛の鯛」と呼ばれる部位がある。

これは胸鰭を構成する肩帯の形がその魚に似ていることが名前の由来とされている。(4)(5)

落合明編(1994)『魚類解剖大図鑑』 緑書房 より
高知新聞朝刊(2013年2月2日) 表情?豊かな鯛の鯛 より

肩甲骨は、鰓裂後方部を構成する骨から派生したものと考えられている。

初期の脊椎動物である魚類の肩帯は、ただ胸鰭を動かすためのものであった。

魚類から両生類への進化で肩帯に起こった最も重要なことは、上上鎖骨が消失したことにより、肩帯が完全に頭蓋から切り離されたことである。

これにより、前肢は自由度が増し、さらに”頚部”が生まれる要因にもなった。(1)

鎖骨群は頭部から切り離された後下方へ下がり、間鎖骨によって左右の鎖骨は連結されることになる。

ヒキガエルの肩帯(1)

1.上肩甲骨 2.肩甲骨 3.鎖骨 4.前烏口骨

魚類では、肩帯は胸鰭を動かす為だけに存在しているが、両生類になると体を支持するという機能も合わせ持つようになった。

陸上では水中程方向転換が容易ではないことから、頸部の自由度が必要になったと想像出来る。

肩帯は頭部からを分離することで、その自由度とロコモーション機能を高めることが出来た。

爬虫類になると、前烏口骨の後方に新たな化骨中心が現れ、それが烏口骨となった。

さらにほとんどの進化系列で上鎖骨は退化傾向を示し、最終的に消失する。

主竜類の系統が内骨格性肩帯として肩甲骨と前烏口骨が基本となるのに対し、単弓類の系統では前烏口骨が退化していき、肩甲骨と烏口骨が内骨格性肩帯の主要な構成要素となっていく。

現生の爬虫類でいうと、肩甲骨・前烏口骨・鎖骨・間鎖骨が肩帯の基本的な構成骨である。

ただし、主竜類は鎖骨も退化の傾向を示すので、ワニ類には鎖骨はない。(1)

ワニの骨格(6)

爬虫類は哺乳類の祖先ではなく、両生類から派生した単弓類が哺乳類の祖先である。

両生類から別に派生した爬虫類から恐竜、鳥類が派生し、哺乳類は別系統の単弓類から派生したのである。

鳥類の基本的な構成は、爬虫類の主竜類と同じである。

ただし左右の鎖骨(とおそらく間鎖骨も)は癒合してV字またはY字形となっており、叉骨 (furcula) または暢思骨 (wishbone) という名で呼ばれることがある。

肩甲骨は薄く細長くなって伸張し、脊椎とおおむね平行になっている。

前烏口骨も棒状に伸張するが、肩甲骨とは異なり強く頑丈になっている。

これは巨大な胸骨に起始し上腕骨に至る強大な飛翔筋が収縮する際の荷重に耐えるためであると考えられている。(1)

ハトの骨格(7)

叉骨(3)烏口骨(4)竜骨突起(6)肩甲骨(19)

単弓類の盤竜類段階で持っていた肩帯構成骨は、肩甲骨・前烏口骨・烏口骨・上鎖骨・鎖骨・間鎖骨の6種であった。

しかし、そこから獣弓類を経て哺乳類に進化した際に失った骨は上鎖骨のみである。

単孔類のカモノハシは肩甲骨・前烏口骨・烏口骨・鎖骨・間鎖骨の5種の骨からなる肩帯を保持している。

現在のヒトを含む真獣類が持っている肩帯構成骨は肩甲骨・鎖骨の2種にまで減少しており、単孔類の肩帯が原始的であるという言われ方をするのはそのためである。

その後の進化の中で、間鎖骨と前烏口骨は消失し、烏口骨は肩甲骨と癒合して烏口突起 (coracoid process) と呼ばれる部位になった。

烏口突起とはヒトではその名の通り鳥のくちばしのように鍵形に曲がった突起であり、むしろ烏口骨という名称が烏口突起に由来している。

それとほぼ時を同じくして、それまでの肩甲骨の前縁から更に前方に筋の付着面が形成され、その新しい付着面を棘上窩、それまで前縁だった部分を肩甲棘、それまでの筋付着面を棘下窩と呼ぶようになった。

最終的には、真獣類の肩帯の内骨格性成分は肩甲骨のみとなっている。一方、皮骨性骨格成分として最後に残ったのは鎖骨である。鎖骨は上腕を様々な方向に回転させる樹上性の動物ではよく発達しているが、有蹄類・食肉類などを始めとした多くの群で消失している。

これは、走行・跳躍など前肢の前後への運動が主となる場合には、肩甲骨遠位部の自由度を大きくしておいた方がよいためであろうと解釈されている。

ヒトの肩帯(1)

哺乳類でもウマ、イヌ、ウシ、ゾウの様な走行性の哺乳類等では退化している場合も多い。

木登りをするネコには鎖骨が存在するが、木登りをしないチーターには鎖骨は無い。

鎖骨がないといわゆる抱きつく所作(前脚を内側に曲げ保持すること)が困難で鎖骨のない動物は木登りができないことから、早期に草原に進出した動物は長距離移動に適応して鎖骨が退化し、長期間森林に生息した動物には鎖骨が残っているのではないかと考えられている。(1)

ネコの鎖骨(8)

鎖骨が残存する必要性は挙上位での上肢のコントロールであり、樹上で生活をする霊長類の鎖骨は退化していない。

ナチュラリゼーションにおける『這うワーク』は、魚の胸鰭から進化した両生類の上肢の動きをモチーフにしており、その上肢の原始的な機能を取り戻す意味があると言えるでしょう。

参考文献

(1)ウィキペディア,https://ja.wikipedia.org/wiki/肩帯,2019年9月27日アクセス

(2)上野輝彌・坂本一男(1999)『魚の分類の図鑑』 東海大学出版会 

(3)上野輝彌・坂本一男(2005)『新版 魚の分類の図鑑』 東海大学出版会 

(4)落合明編(1994)『魚類解剖大図鑑』 緑書房

(5)高知新聞朝刊(2013年2月2日) 表情?豊かな鯛の鯛
  
(6)Wikipedia Crocodilian armor,https://en.wikipedia.org/wiki/Crocodilian_armor2019年6月19日アクセス.

(7)ウィキペディア,https://ja.wikipedia.org/wiki/鳥類の体の構造,2019年9月27日アクセス

(8)Radiographic Signs of Joint Disease in Dogs and Cats,https://veteriankey.com/radiographic-signs-of-joint-disease-in-dogs-and-cats/,2019年9月27日アクセス

第44弾!一割の法則 2018.5.1

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こんにちは、松本淳です。

ここ最近はちゃんと眠れるようになって、体調も良好です。

私は結構運勢とか運気とかを気にして生きてます。

人に相談するという事が無いので、まあ運気の流れが一番の羅針盤かなと。

今年四月までは運気が悪いのは分かっていて、悪いなりに大人しくしておこうかなと。

五月からは運気が上がるので、数日前くらいから体にエネルギーを感じています。

スピチリチャルですか?と思うかもしれませんが、野生動物とか自然現象なんて全部スピリチャルだと思っています。

我々は前頭葉が発達しすぎて感じる能力を失いかけている。

アスリート達と接していても何となく運勢とか分かるんですよね。

レベルとかコンディションとか関係無く、この人はそろそろ結果が出るなとか、数年後かなとか感じます。

数年後かなと感じた人を今すぐ何とかしようとはしません、私は。

運気が悪いのに今すぐ何とかしようとする事は流れに逆らう事を意味します。

まず流れを作る事から始めるんです。

森の風通しを良くする為に無駄な木を切ったり、また必要な所に木を植えたりします。

川の流れを邪魔している大きな岩を砕いたりなどなどですかね。

怪我をして、その場限りの治療をしてすぐ復帰させたら喜ばれますけどね、そういう事はしません。

この川の先に滝があるのに、またその川に戻すが如くです。

まずは流れを読んで、悪い流れを変えてあげないといけません。

私自身何人か滝に落ちる川に戻してたんです、その昔は。

中学の時にそれをしてしまって、彼は今大学生でその滝を逆流して登っています。

今でも何とかしようと応援していますが、あの時の私が馬鹿だったという後悔は消えません。

その子とは別人ですが、今私が一緒にナチュラリゼーションの朝練をしているランナーも滝に落ちた選手でした。

出会ったのは一年半前なので私が滝に落とした訳ではありません。

中学生の時はジュニアオリンピックに出たようなエリートだったんですが、高校以降挫折を繰り返したんですね。

要するに、怪我ばっかりしてきたんです。

私と出会ってからも一年間はずっと怪我してました。

一年のうち10カ月は怪我していました。

怪我をする走り方が染みついている訳です。

そういう彼に私は一切治療してきませんでした。

どんだけ走っても痛めない体に生まれ変わるしか道は無いと。

そんな彼も一年半経ってやっと怪我をしなくなりました。

これが本当に治るという事なんですね。

ですから簡単に治せるとか言えないですよ。

普通の人の何倍もナチュラリゼーションをやって来た彼でも一年半掛かった訳です。

まあ、彼程治りにくかった人は初めてですけど。

エリート選手程、染みついた動きは深い訳でして、そのしつこい染みを取るのはかなり大変な事です。

関東の大学に進学したある女子陸上選手を三年程見ているんですけど、

試合が終わると毎回泣いて電話してきます。

ダメでした、ダメでした、今回もダメでしたと。

つい最近も電話してきてくれて、やっぱり泣いているんです。

「今回はやっと標準記録を切れました(涙)」

初めての良い報告(笑)

女子陸上選手の半分以上は大学で潰れてしまうのが現実です。

彼女もその負のスパイラルに入り、抜け出すのに三年掛かった訳です。

凄いのは、結果も出ないのによく三年もナチュラリゼーションを続けたなと。

ナチュラリゼーションって地味ですし、すぐ結果出ないですし、飽きる人はすぐ飽きるんですよ。

三年続ける人って一割です。

最近思うのは「一割の法則」ってあるのかなぁという事です。

何でも本気でやる人って一割なんですよ、きっと。

ダイエットで成功する人も一割。

お金持ちになるのも一割。

授業を本気で聞いている人も一割。

拾ったお金を交番に届けると一割貰える。(笑)

これはお金を届ける良心ある人が一割しかいないからかなと。

まあ、そんなこんなで最近やっと良いニュースが舞い降りてきます。

では、またお会いしましょう!

Arviderci!

第43弾!日々雑感、最近の考え事。2018.4.15

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こんにちは、松本淳です。

春なのに何故か最近あまり眠れないんですよね。

鬱傾向のあるお客が、朝起きるのが一番の恐怖と言ってたんですね。

その方はナチュラリゼーションを始めて少しずつ改善しているんですけど、

最近は私もその気持ちが分かるようになってきたました。

私の母もそういう傾向にあるので、こういうのって伝染するのかなとも思います。

伝染というより共有でしょうか。

人前では強がって元気なふりをしていても、一人になると落ち込んでしまう。

まあ、人間誰しもそういう所はあると思います。

萩本欽一さんが、人生は幸せ50%不幸せ50%で出来ているんだよと仰ってましたが、

そうなんだろうなぁと思ったりもします。

ここ最近、ある同級生が遠くから私を訪ねてきます。

同業者なんですが、卒業以来会う事も連絡する事も無かった昔の友人です。

めちゃめちゃ明るくて元気なヤツなんですけど、仕事に関して悩んでいるらしいのです。

『患者は沢山来るのに、俺治せないんっすよ。』

会っていない10年間、ずっと私のブログを読んでいたらしいのです。

私も8年位前はそんな感じで、治してないから患者が通って来る毎日が苦しくて、

ストレスで病気がちだった頃を思い出しました。

そんな彼に個人セミナーをしてあげて、手取り足取り治し方を教えてあげると、

めちゃめちゃ楽しそうに喜んでくれるんですね。

そして彼が喜ぶ姿を見て、私も元気を貰うわけです。

最近元気が無かったんですけど、彼のお蔭で私も元気にやっていけそうです。

誰しも悩み苦しむ訳ですから、元気を与えるリレーをしていく事が大切なんだなと気付きました。

結局はこれが運の正体なのかなと思います。

逆に人の元気を奪うと悪運しか寄って来ない。

一方、邪心を持って私に近寄ってくる人には私はかなり冷たい。

人を寄せ付けないオーラがあると言われるのはそういう所にあるのかもしれません。

そういう所をうまくやれないんですよね、私。

もうちょっと社会性を身に付けないといけないと思い始めています。

その為には脳を変えないといけないと思い、根拠は無いですが左利きを練習しています(笑)

さて私は変わるでしょうか?(笑)

話は変わって、先日前十字靭帯断裂の患者さんが二回目の来院をされました。

受傷後一ヶ月ですが、日常生活は問題ないレベルまで回復しています。

膝に特化したナチュラリゼーションメニューをやってもらっています。

この壮大なる実験もどうなっていくのか楽しみです。

いつも読んで頂いて有難うございます。

VALETE!

進化機能解剖学8 脊柱の進化論

今回のテーマは脊柱である。

ヒトの脊柱は頸椎(7)、胸椎(12)、腰椎(5)、仙骨(1)、尾骨(1)という26個の椎骨から構成される。

直立二足歩行を獲得したヒトの脊柱の特徴は、頸椎、胸椎、腰椎の形態と動きがそれぞれ異なっているということである。

それ故に脊柱は複雑な動きを有しており、脊柱全体としての運動を定量的に簡潔に述べることは難しい。

ヒトの脊柱の機能解剖学は良書に譲るとして、今回は系統発生学的に脊柱の進化を述べていきたい。

ヒトの至るまでの進化の歴史で、どのようにして現在の形態と機能を持つようになったのかを知る意味はある。

脊椎動物の祖である魚類は、約4億6000万年前、古生代オルドビス紀中期に誕生したとされる。

初期の魚類には脊柱は無く、約4億1000万年前に登場したケイロレピスという魚類が脊椎を持つ初めての生物と言われている。

脊椎を持つことで流れに逆らう筋力を身に付け、ミネラルを貯蔵することが出来るようになった。

魚類の脊柱はほぼ直線で彎曲は無く、基本的には側屈運動のみである。

魚類が両生類に進化すると、足が生えたことで脊柱と腰帯を繋ぐ仙椎が分化し、仙椎より前を前仙椎、後ろを尾椎と分化していった。

(1)犬塚則久:ヒトのかたち5億年.東京、てらぺいあ、2001、P63より

陸に上がった両生類は陸から頭を持ち上げることが必要になり、この頃に頸椎の前弯が獲得された。

爬虫類になると、陸から体部を持ち上げることが必要になり、胸椎を後湾させることで体部の重さを脊柱で支持できるようになった。

頸椎の前弯と胸椎の後湾は哺乳類になってからも基本的に変わらず、ヒトを除く霊長類も同様の脊柱の湾曲を持つ。

(2)犬塚則久:脊柱と椎骨の形態学、spinal surgery 28(3)239-245,2014 より

直立二足歩行を獲得した類人猿の中でも、ホモ・エレクトスあたりから腰椎は前弯していった。

この腰椎の前弯は、膝の完全伸展の達成と同時に獲得されたと言われる。

(3)Kummer B. Biomechanik: Form und Funktion des Bewegungsapparates.: Dt. Ärzte-Verlag, 2004. より

個体発生は系統発生と類似するという反復説が正しいとするならば、魚類からヒトに進化するまでの脊柱の湾曲の変化をヒトの個体発生でも繰り返すはずである。

ヒトの個体発生における脊柱の湾曲の変化をここに示す。

(4)犬塚則久:ヒトのかたち5億年.東京、てらぺいあ、2001、P63 より

ヒトの胎児の脊柱は後湾から始まり、乳児期における首がすわると頸椎は前弯する。

そして、幼児期に直立すると腰椎は前弯していく。

ヒトの脊柱の個体発生は、ほぼ系統発生を反復していると言ってよいだろう。

脊柱の湾曲の他にも重要な点がある。

脊柱の動きは側屈、前後屈、回旋という三次元の動きで解析されるが、ヒトの複雑な脊柱の動きは系統発生の進化を時系列に並べることによってその意味を知ることが出来る。

まず魚類の脊柱の形態を次に示す。

(5)Comparative Vertebrate Anatomy Lecture Notes 2 – Vertebrate Skeletal Systems http://people.eku.edu/ritchisong/342notes2.htm より

魚類の椎間関節面は水平面とほぼ並行しており、これは魚類の脊柱が側屈運動に適してることを示している。

脊柱の動きの原型は側屈運動なのである。

次に両生類であるオオサンショウウオの骨標本を示す。

(6)イモリブログ(イモリ・サラマンダーの飼育日誌ブログ)http://blog.livedoor.jp/imoriblog/archives/cat_10037492.html より

両生類でも基本的には側屈運動が主体なのである。

次に爬虫類であるワニの骨格を示す。

(7)Now, on to Mesozoic Marine Reptileshttp://www.quantum-immortal.net/other/lecture2.pdf より

体部を陸から持ち上げたことにより脊柱の湾曲が両生類よりも顕著になっている。

捕食のための顎の運動は脊柱の前後屈を必要とすることから、側屈だけではなく前後屈の動きが獲得されていった。

哺乳類になると速く走るために四肢は直立し、爬虫類よりも脊柱の前後屈の動きは強化されていった。

チーターの走りなどは、脊柱の前後屈のバネを主体に走ることが観察できる。

脊柱の動きに関して、直立したヒトと四足歩行の哺乳類の違いは回旋運動の自由度にある。

ヒトは直立したことにより、視野を確保するために脊柱の回旋運動の自由度を上げる必要があった。

それゆえヒトは正中環軸関節という回旋可動域の高い関節を持つようになった。

(8)Frank H.Netter、相磯貞和訳(2004)「ネッター解剖学アトラス(原書第3版)」株式会社南江堂 より

こういったヒトに進化するまでの系統発生を振り返ると、ヒトの脊柱の形態と機能への理解が深まるであろう。

ヒトの椎骨の形態と機能は、頸椎、胸椎、腰椎によって異なっている。

(9)犬塚則久:脊柱と椎骨の形態学、spinal surgery 28(3)239-245,2014 より

椎間関節面の形態から、頸椎では回旋、胸椎では側屈、そして腰椎では前後屈の可動域が大きく、それからが協調して運動することにより脊柱の複雑な運動のハーモニーを形成していることが分かる。

脊椎動物の数億年の進化の歴史の中でも、直立二足歩行の歴史はまだ数百万年という短い期間である。

我々人間の脊柱は直立二足歩行という実験の途中であり、まだまだ発展途上の段階なのかもしれない。

現代人の脊柱の於ける機能障害の発生頻度の多さから考えると、そのように考えてみるのも妥当であろう。

現代人の生活様式や発達運動の不足などの理由から、現代人の脊柱は機能不全に陥りやすく、したがって適切な機能回復訓練が全人類的に必要とされている。

系統発生の間に用いられてきた脊椎の運動パターンを模倣していくことによって、ヒトの健全な脊柱の機能を取り戻していくことが、ナチュラリゼーションの目的である。

乳幼児の運動発達教育で多大な功績を残された斎藤公子先生が考案されたリズムあそびの「金魚運動」を参考にさせて頂きました。

いわゆる魚類の動きを模倣したワークになります。

参考文献

(1),(4)犬塚則久:ヒトのかたち5億年.東京、てらぺいあ、2001、P63

(2),(9)犬塚則久:脊柱と椎骨の形態学、spinal surgery 28(3)239-245,2014

(3)Kummer B. Biomechanik: Form und Funktion des Bewegungsapparates.: Dt. Ärzte-Verlag, 2004.

(5)Comparative Vertebrate Anatomy Lecture Notes 2 – Vertebrate Skeletal Systems http://people.eku.edu/ritchisong/342notes2.htm2019年7月19日アクセス

(6)イモリブログ(イモリ・サラマンダーの飼育日誌ブログ)http://blog.livedoor.jp/imoriblog/archives/cat_10037492.html2019年7月19日アクセス

(7)Now, on to Mesozoic Marine Reptileshttp://www.quantum-immortal.net/other/lecture2.pdf2019年7月19日アクセス

(8)Frank H.Netter、相磯貞和訳(2004)「ネッター解剖学アトラス(原書第3版)」株式会社南江堂

第42弾!終活問題を考える。2018.4.1

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こんにちは、松本淳です。

すっかり春になりましたね。

京都は桜満開です。

今年の春は暖かくなるのが早いですね。

バラの開花もきっと早いはず。

春は楽しみが沢山あって嬉しい限りです。

三月は卒業の季節ですが、うちに通ってる中学生も何人か卒業しました。

週1で通えるのは中学までなので、うちも一旦卒業なんです。

野球している二人は三年以上も通ってくれたので、卒業するとさみしいですね。

去年もそうでしたが、この時期は心にポカンと穴が空くんです。

その内の一人はナチュラリゼーションの申し子とも言える子でした。

私の分身とも言えるような体になってしまいました。

三年前はこう思っていました。

ナチュラリゼーションをずっとしていたら人間じゃない体になるのではないか?

そうなったら社会復帰できるだろうか?

そんな心配をしていましたが、普通に社会生活を送っています。

良かった!

こんなにも全力で、100%で教える事ってそろそろ終わりなのかなと思っています。

私の母が70歳過ぎて、終活と言い始めています。

実は私も40過ぎてから考え始めていまして、取り敢えず仕事をどう終えようかなと。

別に暗い話じゃなくて誰でも終わる訳ですから、どう良い終わり方をしようかと考えている訳です。

50歳で仕事のピークを持ってきて、60歳で終えたいなと考えています。

サラリーマンなら普通にそうなりますけど、自営業なので自分で道を考えないといけないのです。

ナチュラリゼーションを開発して普及してきましたが、今後はこれを世界に広めようと考えています。

ケニアでは始めましたが、次はヨーロッパを考えています。

その入り口をイタリアで考えているんですが、イタリアは外国人にあまり寛容な国ではないんですね。

移民問題があって外国人が労働許可を取るのも簡単ではないみたいです。

終活問題の前に就活問題をクリアしないといけません(笑)

いっそのことイタリア人と結婚しようと考えましたが、

そっちの方がハードルが高そうです(涙)

よっぽどの事が無い限り、イタリア行きはまだ先になりそうです。

その前に前十字靭帯の治療法を確立しないといけません。

今回の前十字断裂の方も受傷後一ヶ月ですが順調です。

経過はここだけで報告していきます。

それともうちょっと選手育成で結果を残さないといけません。

こればっかりは適齢期になれば結果は出るので待つしかありません。

まあそんなこんなで今は桜な時間を過ごしています。

いつも読んで頂いてありがとうございます。

GRAZIE!

お知らせ

東京レッスン再開します!
https://jun-matsumoto.com/2020/06/16/seminar-july2020/

ねっと治療院
https://jun-matsumoto.com/net-therapy/

オンラインレッスン
https://jun-matsumoto.com/online-lesson/

二冊目の本を電子出版しました!
「超自然体を作る方法」
https://www.amazon.co.jp/dp/B07MKNX9VV/

前十字靭帯断裂の自然治癒に成功。
https://goo.gl/dbt8uV

アキレス腱断裂のセルフケアマニュアル
https://note.mu/naturalization/n/nc7be399c94a5

京都プライベートレッスンはこちらへ。
https://jun-matsumoto.com/sekkotsuin/

ナチュラリゼーションケニア募金よろしくお願い致します!
https://jun-matsumoto.com/activity-in-kenya/

東京セミナー再開します!2020年7月のレッスン&セミナー情報 Naturalization seminar in July,2020


2020年7月のセミナー&レッスン情報を更新しましたのでお知らせ致します。

7月26日(日)新宿ナチュラリゼーションEVO.セミナー

0歳~一般、アスリートまでご参加頂けます。

会場:Rental Studio My lesson 新宿 Cスタジオ  新宿御苑前駅 2番出口 徒歩1分

①13:00-14:30 
②14:30-16:00
③16:30-18:00 
ナチュラリゼーションEVO.のスタジオレッスン。あらゆる競技のアスリートから体にお悩みのある一般の方までご参加頂けます。前十字靭帯断裂等の外傷の治療も受け付けています。ご希望の方は、新宿御苑内での屋外レッスンも可能です。

受講料(税込)
プライベートレッスン 学生以下 2万円、一般 3万円

グループレッスン お一人様 学生以下 1万円、一般2万円

キャンセルは7日前までは無料です。6日〜前日はレッスン料の半額、当日は全額のご負担をお願い致します。

京都レッスンは料金は異なります。
ご予約お待ちしております。

会場:松本じゅん接骨院

お問い合わせ

ivanivankov@yahoo.co.jp

Naturalization EVO. Seminar will be held in Tokyo,July 26,2020. In this seminar you can learn the essences of Naturalization step by step. Naturalization is the name of the exercises which are based on the evolution and the development of human beings. Many of the musculoskeletal disorders are caused by the lack of  the development movements during 0-year old age. In this seminar, you will learn:

  1. Learn the 0-year old exercises precisely, and why those are important for our healthy life.
  2. How to overcome musculoskeletal disorders by Naturalization approach.
  3. How to improve physical abilities by Naturalization exercises.

Naturalization exercises involve all of the body parts and let them move with natural coordination. As you complete all of the exercises, you will retrieve natural body and movements.

Tokyo seminar

Date: July 19, 2020
class 1: 13:00-14:30, class 2: 14:30-16:00, class 3: 16:30-18:00

Place: My Lesson Shinjuku C studio

Fee: private lesson 30,000 yen for one seminar

group lesson 20,000 yen for one person for one seminar

Entry qualification: Anyone

Kyoto seminar is always open at Jun Matsumoto Natural Therapy Office.

How to entry: Please send the information of your name and the course of your preference via email ivanivankov@yahoo.co.jp

I sincerely appreciate for your interest in Naturalization.

Jun Matsumoto

第41弾!まだまだ治療家は辞められない。2018.3.15

まつじゅんの治せるセラピスト講座最新号はこちらから

こんにちは、松本淳です。

やっと春らしくなってきたので、また少しづつランニングを始めています。

寒いのが苦手なので冬の間は私は走らないんです、はい。

久しぶりに走ると筋肉痛がヤバいですね。

日々ナチュラリゼーションをしてランもするというのが理想的なんですけど、

流石に両方すると私の体力では疲れが溜まります。

老化したくないので無理やり体を動かしていますけど、

動物的には走れなくなったら死を意味するんですよね。

だから、いつまでも走っていたいんですね。

変な話ですけど、治療家としての死っていつなのかなと思ったりします。

治療しなくなったら死なのか、治療する必要が無くなったら死なのか。

近年の私は治療する必要が無くなって、そして治療をする事も殆ど無くなりました。

治療家と名乗る事も殆ど無いので、治療が出来る人と思われなくなっているかもしれません。

治るのが当たり前になりすぎて、治せました!的な発言も自然としなくなりました。

私は治療家として死んだのだろうか?

別に治療家でいたいというこだわりも無いんです。

しかし、辞めるなら全ての怪我を治せるようになってから辞めたいとは思ってきました。

以前から言っていますけど、膝の十字靭帯断裂をまだ治せていないのです。

世界では医者も含めて二人くらい治せる人がいるんですけどね。

恥ずかしながら私はまだ出来ていない。

あー、恥ずかしい。

才能無いなら辞めてしまえとも思いましたが、まだ諦めがつかない。

世界中の論文を読み、いろいろな仮説を構築して、この十年で最後まで実践できたのはたったの一人でした。

本人の同意を得る事の難しさや、医者に邪魔されたりなどの困難があり、実践自体が難しいのです。

私の所で十字靭帯断裂の治療を希望する人は一年に一人あるか無いかです。

半分諦めていたのですが、先日前十字靭帯断裂の患者が来ました。

まあ、これは神様がやれとチャンスをくれたのでしょうね。

結果はどうなるかは分かりませんけど、やってみます。

患者を紹介してくれなんて思っていませんが、十字靭帯に関してはご協力を願っています。

話は変わりますが、やっと春になって試合シーズンですね。

今年も選手達がどんな結果を残してくれるのか楽しみです。

私にとったら数年前にやっていた事の通知表になるわけです。

欲張りですけど今年もプロ野球選手が誕生してほしいです、はい。

中3の時に、この子は高校で150キロ出せるという直観があった子がいます。

去年は牧丈一郎君が152キロを出してプロへ行きましたが、あの子の時も直観はありました。

さて、今年も直観は当たるでしょうか。

ちなみにダイナミックアーチを開発した時も、あ、これで日本記録が出る!という直観がありました。

うちの陸上選手達にも期待していますが、日本記録まではまだ数年掛かりそうです。

楽しみは後に取っておきましょう。

まあ、そんなこんなで日々楽しみながらも格闘しています。

では、また次回お会いしましょう。

VALETE!

進化機能解剖学7 股関節の進化論

今回は、股関節の解剖学と機能について系統発生学的に解説してみようと思います。

系統発生学的には、ヒトの手足は魚のヒレから進化したと考えられています。

魚類から両生類に進化した時に、川底や陸上で前進するためにこのヒレは手足へと進化しました。

(2)Clack, J. A. 手足を持った魚たち より

両生類であるカエルとオオサンショウウオの骨格を見てみましょう。

手足は脊柱に対して外側を向き、形態的にも手足は非常に類似しています。

上腕骨と大腿骨の形態も非常に類似しています。

水を掻くためのヒレは、地面を支えるための手足へと進化しました。

そのため、肩と股関節は90度外旋していきました。

爬虫類になると陸上での生活が主になり、体と地面との摩擦を軽減して前進するために、四肢で地面と押す筋力が発達しました。

ワニの骨格をご覧ください。

両生類に比べて四肢の骨がかなり太くなっています。

両生類から哺乳類へと進化する時に、四肢は大きく形態を変えることになります。

四肢が地面に対して直立していくという大進化を遂げました。

Tom Hogervorst, Evie E. Vereecke 2014.Evolution of the human hip. Part 1: the osseous framework.J Hip Preserv Surg. 2014 Oct

Aが爬虫類、Bがネズミのような初期哺乳類、Cがネコやウマのような哺乳類

爬虫類から哺乳類へと進化する過程において、上肢は外旋し、下肢は内旋して両肢共直立していきました。

そういった進化から、哺乳類では肘と膝が向き合う形態になったのです。

その後、哺乳類から類人猿、そしてヒトへと進化していく訳ですが、ここでも大きな大進化を遂げることになります。

四足歩行から、直立二足歩行へという大進化が起こりました。

その中間となる類人猿とヒトの形態的違いを見てみましょう。

Tom Hogervorst, Evie E. Vereecke 2014.Evolution of the human hip. Part 1: the osseous framework.J Hip Preserv Surg. 2014 Oct

類人猿は腰が丸く、膝と股関節も曲がっています。

ヒトは完全な直立を獲得するために、膝と股関節を伸展させ、かつ骨盤を前傾させたのです。

骨盤の前傾によって腰椎も前湾し、安定した直立のために脊柱のS字形を獲得していったのです。

ヒトの個体発生において、進化の歴史は繰り返されています。

赤ちゃんは両生類的な開排位で生まれてきます。

そこから更に股関節を90度外旋した爬虫類の動きは殆ど行いません。

哺乳類的な動きであるハイハイで股関節は内旋するので、爬虫類的なパターンは省略されたものと考えています。

ヒトの股関節が完全に進化したと言えないのは、直立した時に大腿骨頭が寛骨臼から前へはみ出てしまうという点にあります。

形態的には、ヒトは未だに無理をして直立をしていると言えるでしょう。

股関節にとって楽なポジションは、関節面が一致する屈曲位です。

しかし、この屈曲位のまま直立していると、骨盤後傾によって様々な障害を引き起こします。

系統発生に従って、開排位と四つ這いのポジションで、しっかりと股関節を発達させてから直立へと移行することが重要であると考えます。

股関節を正常に発達させるワークの一つである「ずりばい」をご紹介します。両生類の動きをモチーフにしています。

参考文献

(1)第36話私たちの身体に魚の痕跡(その1) タイのタイ, https://blogs.yahoo.co.jp/horitujoy/39886285.html 2019年6月19日アクセス.

(2)Clack, J. A. 手足を持った魚たち――脊椎動物の上陸戦略. 池田比佐子訳. 東京, 講談社, 2000. p.156

(3)ありんこ日記 AntRoom,http://blog.livedoor.jp/antroom/archives/51085457.html2019年6月19日アクセス.

(4)フィットネスクラブ シナジー オオサンショウウオ 骨格, https://ownfitnessclub.amebaownd.com/posts/53118332019年6月19日アクセス.

(5)Wikipedia Crocodilian armor,https://en.wikipedia.org/wiki/Crocodilian_armor2019年6月19日アクセス.

(6),(7)Tom Hogervorst, Evie E. Vereecke 2014.Evolution of the human hip. Part 1: the osseous framework.J Hip Preserv Surg. 2014 Oct