前十字靭帯損傷の予後を早期に判断するための考察。ケース2

前十字靭帯損傷の自然治癒療法

前十字靭帯の栄養血管である中膝動脈の状態を確認することで、より早期に前十字靭帯損傷の予後を予想できると考えています。以下のMRIでは靭帯は損傷しているが、中膝動脈の大腿骨枝は確認できる。このケースは自然治癒が十分可能であると判断しています。

受傷後2ヶ月目

中膝動脈の存在は確認できるが、大腿骨との連続性が不鮮明である。

dohyabu2018-12-22-01_LI

受傷後4ヶ月目

中膝動脈の大腿骨との連続性が十分に確認できる。

ohyabu2019-3-23-1_LI

損傷した前十字靭帯が自然修復してくための絶対条件として、乏しいとさる中膝動脈の靭帯への血流を確保する必要がある。当院では、前十字靭帯損傷の保存的治療の初期治療として、血流確保を重点に行ってきた。

尚、上のMRIは血管の状態を確認できる断面であり、靭帯の連続性を確認する断面はより外側に位置していることに注意が必要である。上の受傷4ヶ月目の画像の4mm外側の断面を次に示す。

ohyabu2019-3-23-3

損傷靭帯の連続性は改善しており、今後の経過観察結果は以後報告していく予定です。

前十字靭帯断裂の自然治癒 症例報告 ケース2 Natural Healing of ACL tear – case 2.

注目

前十字靭帯損傷の自然治癒療法

2018年11月に右膝前十字靭帯断裂と内側半月板損傷を合併した症例に関する受傷3ヶ月後の症例報告です。

受傷から1ヶ月過ぎてのナチュラリゼーション療法の開始でしたが、治療開始2ヶ月のMRI画像診断で、損傷靭帯が回復過程にあるとの報告を受けました。

日常生活での支障は全く無いことから、ジョギングの開始を許可しました。

The MRI pictures of ACL tear from 11 days though 3 months. Natural healing is seen here. I permit the patient to start jogging.

ACL Online Therapy

同症例の受賞後5ヶ月目のレポートです。

4ヶ月目(左)と5カ月目(右)のMRI画像をアップします。

The following is the report of 5 months after the incident .

The MRI of 4 months(left) and 5 months(right) are listed below.

少しずつ断裂した靭帯の連続性が太くなっていることが確認できます。

The continuation of the ACL has been strengthened slightly.

次に受傷4ヶ月目の、レバーアームテストによる徒手検査と運動機能評価の動画をアップします。レバーアームテストでは、足が床から持ち上がると靭帯に連続性があることを示し、断裂していると足は持ち上がりません。受傷4ヶ月目では、わずかながら足は持ち上がりました。

The video below shows the assessments of the Lever arm test and the physical abilities.(4 months) In this test, the lift of the foot signs the continuation of the ACL. The video shows the slight lift of the foot.

次に受傷5ヶ月目の、レバーアームテストと運動機能評価(走力)の動画をアップします。レバーアームテストでは、4ヶ月目よりも明確に足が持ち上がりました。これは断裂靭帯が確実に修復されていることを示しています。受傷3ヶ月目からジョギングを開始し、5ヶ月目では、全速力の約80%でのランニングが可能になりました。当患者は陸上選手であり、この経過であれば受傷6ヶ月での競技復帰を予定しています。

The same test was executed 5 months after the incident. It shows that the foot was lifted more evidently, which means the healing of the ACL has progressed. He recovered his running ability up to 80 % of his maximum. He plans to return to his athletics in 6 months after the incident. His specialty is track & field.

受傷6ヶ月目のMRIと徒手検査の結果は、5ヶ月目と殆ど変化はありませんでした。
次回のMRI撮影は、受傷後1年後に予定しています。
受傷6ヶ月目で、患者から陸上の競技会に復帰すると報告がありました。
機能不全の自覚症状はなし、走力も100%近く戻っているとの自己報告がありました。
患者がインタビューに応じてくれたので、その動画をアップ致します。

6 months after the injury,there were no difference in the MRI and the physical assessment compared to the last ones. However,he has trained himself enough during the last month,and he says that his running ability has come back almost to his 100% and decided to return to the T&F race in the next month.

前十字靭帯の保存的癒合の最新レポート ケース1

注目

前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂に対するナチュラリゼーション療法の7ヶ月目の経過を報告します。

3ヶ月目のMRIで画像上では癒合が確認出来ましたが、実際の運動機能はどうなのか?と疑問を持っていた方もいたでしょう。

私も患者がどの程度、機能を回復しているのか大変興味を持っていました。

遠方の方なので、今回の診察は4ヶ月ぶりです。

前回の3ヶ月目では、日常生活では問題は無いが、時々膝に違和感を感じる事があったようです。

それでも、3ヶ月目から肉体労働を始められて、4ヶ月目位までは作業中に違和感を感じた事もあったようです。

しかし、5ヶ月目以降は日常生活でも肉体労働でも、痛みや違和感は無いようでした。

そして、7ヶ月目の今回は、画像と運動機能を評価したものを簡単に動画にまとめてみました。

7ヶ月目のMRI画像では、3ヶ月目よりはっきりと断裂した靭帯が修復しているのを確認できました。

前方引出しテストという、関節の緩さを確認するテストでも、全く異常が見られませんでした。

これには私は驚きました。

私の予想では、関節の緩さは残るだろうと予測していたからです。

大腿四頭筋の筋委縮も無く、視覚では左右差は全く確認出来ませんでした。

次に、運動機能を評価しました。

屈伸運動や、片足ジャンプ、サイドステップ等を評価しましたが、殆ど異常は見られませんでした。

こんなに綺麗に治るものかと驚きを隠せませんでした。

前十字靭帯再建術では、あんなにも苦しいリハビリを経て、しかも、後遺症が残り再断裂率も高いのですが。

この患者は、最初の1ヶ月位は不便な状態でしたが、それ以降は何の苦痛も経験せずに現在に至っています。

最初の3ヶ月は、毎日2時間ナチュラリゼーションをやってもらいましたが。

今回の症例を見て思った事は、前十字靭帯断裂でも保存的癒合治療を行えば、半年でスポーツに復帰できるかもしれません。

手術よりも早く、そして後遺症も無いかもしれません。

受傷から2週間以内にナチュラリゼーション療法を開始すれば、およそ3ヶ月で靭帯は再生していきます。

治療の第一オプションは、まずナチュラリゼーション療法によって、靭帯の自然再生を試みる。

自然再生が失敗した場合に、第二オプションとして再建術を検討する事がベストであると考えています。

十字靭帯損傷の疑いがある方は、二週間以内にご相談下さいませ。

お問い合わせ先

松本じゅん接骨院

075-741-6595

ivanivankov@yahoo.co.jp

前十字靭帯断裂の自然治癒に成功。ケース1

注目

前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂の自然治癒に初めて成功しました。

手術をしない保存療法ですが、切れたままにしておくのではなく、断裂した靭帯を癒合させる治療を行ってきました。

保存的修復の先駆者である井原秀俊医師やモハメッド・カリファ氏の文献を参考に、新しい治療法の開発に取り組んでいます。

ナチュラリゼーションと名付けたヒトの運動発達をベースにした運動療法によって、膝が失った本来の運動を再獲得し、断裂した靭帯が再生していくものと考えております。この治療では一切の装具やテーピングを使いません。ナチュラリゼーションによって獲得される人間本来の動的安定性は、装具のそれを凌駕するものと考えています。本来は骨が柱であり、筋肉と靭帯は自然のサポーターなのです。

十字靭帯損傷の受傷から2ヶ月以内に適切な応急処置と早期にナチュラリゼーションを開始すれば、約3ヶ月で靭帯は再生し始め、一年程で強い組織に変換されていきます。手術をするかしないかという二者択一ではなく、自然治癒する可能性がある3ヶ月間は、まずは保存療法を試みる価値はあると考えています。

受傷3日後のMRI画像

0month

受傷後約3カ月のMRI画像

3month

十字靭帯損傷に対するナチュラリゼーション療法は、松本じゅん接骨院でのみ行われています。

お問い合わせ先

松本じゅん接骨院

ivanivankov@yahoo.co.jp