前十字靭帯再建術後に再断裂した靭帯の自然治癒に成功

前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

40歳、男性、インド人

受傷機転:

2004年に左膝前十字靭帯を断裂し、2008年に再建手術を行った。2022年10月13日、階段から落ちて左膝を捻った。10月17日にMRI撮影を行い、以下の診断を得た。

再建前十字靭帯の断裂

受傷後の経過:

2024年11月24日より、当院のオンライン治療を開始した。3ヶ月間装具を着用し、伸展0ー30度を制限した。一日3000歩以内の歩行を許可した。3カ月間、ナチュラリゼーションと呼ばれる進化発生学に基づいた運動療法を、一日3回行った。4カ月目からは装具を外し、段階的に完全可動域を回復していった。その後、2023年6月6日、再度MRI撮影を行った。

MRIの結果:

インド現地の画像診断専門医のレポートは以下にまとめる。
・再建前十字靭帯と後十字靭帯に軽度の損傷が見られた。
・内側半月板後角にグレード3の損傷が見られた。

その後の経過:

断裂した再建前十字靭帯は十分に連続性を回復したと判断し、日常生活復帰へ向けた更なるリハビリの継続を指示した。

考察:

本症例は、再建前十字靭帯の再断裂に対し、ナチュラリゼーション療法によって自然治癒が確認された初めての報告である。再建靭帯が骨内で癒合・固定されていれば、適切なメカニカルストレスと動的運動療法により再断裂部が自然修復される可能性が示唆された。今後はさらなる症例の蓄積と検証が求められる。

参考文献:

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