第66弾!利他的な遺伝子 2019.4.15

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こんにちは、松本淳です。

春真っ盛りですね。

京都では、もう桜が散り始めています。

先週開催した、代々木セミナーは、見事な桜ナチュラリゼーションでした。

代々木セミナーの早朝は、春から実業団ランナーになったKさん。

次は、プロフェッショナルセミナーを4時間してから、プライベートレッスンを2コマやりました。

一人は大学生のラグビー選手で、高校生のころからツイッターで何度も質問をしてきた子です。

通信講座も一年間やっていたらしく、初めてレッスンに来てくれました。

ナチュラリゼーションはまだまだ普及していませんが、こういう子に出会うとやってきて良かったなぁと思います。

もう一人は、バレエ留学を経験して、日本のバレエ団に入団したのですが、腰痛が酷くてすぐに退団された方。

もっと早く出会っていたら、痛みなく元気に踊れていたのにと残念に思いました。

綺麗な歯並びに小さいお口、一目見て歯科矯正してたんだなと分かりました。

歯科矯正の後遺症で顎の位置が変わり、背骨のバランスを崩していたんですね。

若いころから治療院通いで痛みを誤魔化してきたらしいのです。

治療院は何をしとるのだ!

一方、実業団に入ったばかりのKさんは、毎週定期的にマッサージを受けさせられると困惑していました。

私はどこも痛くないし、マッサージを受けると調子が悪くなると言っても強制的に受けさせられるというのです。

彼女はナチュラリゼーションを3年半もやってきて、既にマッサージを必要としない体になっているのです。

その話を中級コースですると、受講生の一人が言いました。

『あ、それうちの会社のスタッフが治療しているチームですよ。』

なんじゃそりゃ!

治療ってなんなんすか?ゴッドハンド先生!

治療家にとっての仕事は、治療することなんですよ。

相手のためではない、自分のため。

自分のためというのは、悪いことなのか?

相手のために、自分を犠牲にしないといけないのか?

最近、私は遺伝子の勉強をしています。

30年以上前に世界的ベストセラーになった、『利己的な遺伝子』という本を読んでいます。

「遺伝子は自己を最大限に増やすことしか考えていない。」という趣旨のことが書かれています。

つまり、他人よりも自己の保存が生物の根源的な本能であるということです。

親は自分の子供は自分の1/2の遺伝子を持っています。

自分の遺伝子を残すという意味では、二人の子供のために自己犠牲で死ぬと、遺伝子の保存率はプラスマイナス0になります。

いとこは1/8しか遺伝子を共有していないので、8人のいとこのために自己犠牲で死んでプラスマイナス0になります。

生物とういうのは、血縁の近縁度が近ければ近い程に、利他的な行動ができるらしいのです。

利他的行動というのは、自分の利益よりも他人の利益を優先して行う行動のことです。

母親が子供のために、自分の食べ物を分け与えるという行為は、利他的行動といえます。

これは、遺伝子を最大限に残していくための、遺伝子にとっては利己的な行動なのです。

しかし、あかの他人との近縁度は分からないので、基本的に利他的行動はとりません。

見ず知らずの人を、命をかけて守れないですよね。

同じ日本人であれば、数千分の一くらいで近縁度があるかもしれませんが、限りなくゼロに近いですね。

ですから、他人である患者の利益のために、治療家が自己の利益を棄てるという行為はありえないのです。

売り上げ第一!、患者は永遠に通わせろ!というのが、遺伝子的には正解であり、当然のことなのです。

しかし、世の中にはまれに、他人に対しても利他的行動ができる人がいます。

キリストやマザー・テレサのような人たちをイメージしてください。

迷子や行方不明者を探すボランティアおじいちゃんでも同じです。

自己遺伝子の保存という観点で考えると、他人に対しての利他的遺伝子はメリットがないので子孫を残せないということになります。

子孫を残せない利他的遺伝子は、とっくに絶滅しているはずなのですが、絶滅していないのはなぜか?

これは私の考えですが、ヒトは戦争をする種であるために、利他的遺伝子を残しておかないと絶滅するということではないでしょうか。

永遠に殺し合うと、ヒトは最後は一人になって絶滅するはずです。

その中で、沢山の他人のために自己犠牲を払って生きる人々がいることで、戦争による絶滅を回避してきたと考えます。

しかし、その利他的遺伝子自身にもメリットがないと、この遺伝子は絶滅していたはずです。

利他的遺伝子のメリットとは何か?

ヒトであるかぎり、他人であっても近縁度はゼロではないのです。

もし他人の近縁度の平均値が1/1万だとしたら、1万人を自己犠牲で救って初めて利他的遺伝子は遺伝的メリットを得ると言えます。

おそらく私は、この利他的遺伝子を持っているのかなと想像しています。

私の話に共感する人たちも持っているかもしれません。

ごく一部の人しか持っていないマイナー遺伝子なので、大多数の人からは馬鹿にされるかもしれません。

他人の利益を考える馬鹿と。

考え方を変えた方が楽なのは分かるんですけど、遺伝子なので変えられないんですよ。

この遺伝子を残すためには、1万人以上を救うしか道はないのです。

まあ、そんなことを考えている今日この頃です。

では、皆様またお会いしましょう!

Ci vediamo!

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