元日本代表選手の前十字靭帯断裂の自然治癒 ケース32

前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

患者情報:

38歳、男性、日本人

受傷機転:

2022年9月11日、サッカーの試合中に、相手が左からぶつかってきた。その時、右足で踏ん張った時に、右膝が不自然な方向へ捻じれた。当日に病院へ行き、翌日にMRI撮影を行い、以下の診断を得た。

右膝十字靭帯断裂(中間部での断裂、かつ断端同士が離開しているIharaの分類Ⅲ))

受傷後の経過:

 9月15日に、別の病院を受診した。ラックマンテストの結果は陽性であった。9月19日に、関節穿刺によって関節液を摘出した。その後、腫脹は無く、膝屈曲90度まで可能であった。

 10月3日に、当院に来院した。ラックマンテスト陽性、レバーアームテスト陽性、ピボットシフト陰性であった。ナチュラリゼーション運動療法を開始し、自宅でも毎日継続した。10月18日に再度MRI検査を行った。

 断裂した前十字靭帯の自然癒合が確認された。その後もナチュラリゼーションを継続し、12月15日と翌年1月19日にMRI検査を行った。

 前十字靭帯の連続性も十分に確認でき、弛みも改善していた。

考察:

 患者は、元ビーチサッカーの日本代表選手というトップアスリートであった。まだ現役レベルでサッカーをやりたいという希望があり、頻繁にMRI撮影を行い、その治癒過程をつぶさに確認してきた。医者のみならず、周囲のサッカー関係者全員が手術を勧める中、自然治癒療法を選択したことは英断であった。画像診断による治癒レベルは、受傷後4カ月目に於いてグレードⅡであった。ハイレベルでのサッカーへの復帰は心配されたが、リハビリを重ね、数ヶ月後にはサッカーへ復帰していった。

参考文献:

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