前十字靭帯断裂の自然治癒   ケース10  

前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

16歳、男性、日本人
2021年3月21日に、部活動のハンドボールの練習中、個人でフェイント動作をした際、左膝を捻り倒れこんだ。翌日に整形外科を受診し、MRI撮影を行った結果、前十字靭帯断裂、内側半月板損傷と診断された。骨がまだ成長過程であることから、この段階では手術はせず、経過観察していく方針が選ばれた。

受傷から7週間後の5月9日に、松本じゅん接骨院を受診し、前十字靭帯断裂の自然治癒を目的としたナチュラリゼーション療法を開始した。週一回の受診の他、毎日、自宅や部活動でナチュラリゼーションの運動療法を継続した。ナチュラリゼーション療法の開始から4ヶ月後の9月4日、初診とは別の病院でMRI撮影を行った。画像診断専門医の診断では、前十字靭帯の7〜8割は連続性を有しており、微小断裂であるとのことであった。これをもって、断裂した前十字靭帯が自然治癒を始めていることを確認し、患者のスポーツ活動復帰へ向けたリハビリを開始した。これより3〜4ヶ月間、段階的に運動強度を高めて行き、競技復帰する予定である。

前十字靭帯の連続性を確認できた。

9月28日にランニングをしていた際、左膝を捻ってしまった。同日に病院でMRI撮影を行い、前十字靭帯断裂と診断された。数日間の安静を経た後、再断裂した前十字靭帯の自然治癒療法を再開した。

自然治癒療法をさらに約3カ月間行い、MRI撮影を行った。

2021年9月4日のMRIで確認されたような、前十字靭帯の連続性は明確には確認できなかった。前十字靭帯の脛骨側の断端部が後十字靭帯と癒着していることが確認された。患者には、膝崩れなどの症状は無く、機能的には順調に回復していることから、このまま保存療法を継続していくこで同意した。運動強度を段階的に上げていき、2ヶ月後の3月5日に再度MRI撮影を行った。

残念ながら、今回も前十字靭帯の連続性は確認されなかった。今後は、さらに運動強度を上げていき、競技復帰を目指しながら経過を観察していくことで同意した。

考察
前十字靭帯断裂から一度は自然治癒したものの、再断裂を起こしてしまい、初めての再断裂の自然治癒は成功しなかった。再断裂の原因は明確には指摘できないが、気になった点が二つあった。一つは、自然治癒療法の開始が受傷7週間経過しており遅かったこと。その期間、装具やサポーターで可動域が制限されていたことで、治療開始から自然治癒までの期間においても、屈曲制限が残存していた。二つ目は、9月4日の自然治癒が確認されたMRIでは、まだ綺麗な自然治癒とは言えず、後十字靭帯とも癒着していると思われる変形治癒であったことである。個人的な感想としては、治療開始までの7週間の間に、可動域制限された環境で、靭帯の癒着が起こっていたのではないかと考えている。前十字靭帯断裂が自然治癒しても、その後、再断裂の可能性はあり、それを如何に予防していくかが今後の命題である。

前十字靭帯断裂の自然治癒   ケース10  」への2件のフィードバック

  1. すばらしいすぎますね!
    今後のご活躍、応援してます!
    どんどん自然治癒の人、増えていって欲しいです!

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