進化機能解剖学1 顎関節

顎関節(がくかんせつ、英: Temporomandibular joint)とは、頭蓋の下顎窩と下顎骨の下顎頭を連結している関節である。

シンプルなイメージではこのような関節になっています。

詳しい図はこちら。

膝関節や肩関節と同じように滑膜性関節であり、顎関節内には関節円板が存在します。

人間の噛む力はおよそ体重程あり、テコの原理を考えると顎関節面には数倍のストレスがかかる。

咀嚼時には、左右別々の動きをしながらも同時に動くため、その運動の自由度をサポートするために関節円板が必要であると考えられる。

顎関節に作用する主な筋を図で示す。

閉口筋 

咬筋

https://ja.wikipedia.org/wiki/咬筋 より引用

側頭筋 

https://ja.wikipedia.org/wiki/側頭筋 より引用

外側翼突筋(上頭)

https://ja.wikipedia.org/wiki/外側翼突筋 より引用

内側翼突筋 

https://ja.wikipedia.org/wiki/内側翼突筋 より引用

開口筋

顎舌骨筋 

https://ja.wikipedia.org/wiki/顎舌骨筋 より引用

オトガイ舌骨筋 

https://ja.wikipedia.org/wiki/オトガイ舌骨筋 より引用

顎二腹筋

https://ja.wikipedia.org/wiki/顎二腹筋 より引用

外側翼突筋(下頭)

https://ja.wikipedia.org/wiki/外側翼突筋 より引用

咀嚼運動に関しては、閉口と開口があるが、閉口筋が優位に働く事は想像に難くない。

一般的に開口筋は馴染みのない筋ばかりで、その重要度はあまり知られていない。

ナチュラリゼーションの顎ワークは開口運動であり、開口筋群を機能させる事によって閉口筋とのバランスを取る意味がある。

ここで重要な事は、開口筋群の多くが舌骨に付着している事である。

咽頭部の解剖図を次に示す。

開口筋群が付着する舌骨は、気道のすぐ前部に位置している。

そのため筋のバランスによっては、気道を圧迫する可能性が十分にある。

開口が十分に出来ない人間の特徴として、この舌骨の後方への変位が考えられる。

舌骨は舌を動かす筋群とも連動していることから、舌の運動機能不全によっても後方への変位が起こりうる。

さらに特筆すべき事は、この舌骨は下顎と頭蓋骨だけではなく、胸骨と肩甲骨にも筋を介していることである。

下顎、頭蓋骨、胸骨、肩甲骨の4点の中心である舌骨は、この4点の連動性によってその位置が決まると言える。

つまり、顎関節の運動は舌、頸椎、胸骨、そして肩甲骨の動きと連動しているのである。

この連動性の破綻は舌骨の位置を歪め、気道を圧迫しうるのである。

ナチュラリゼーションの顎ワークの意味はここにある。

頸椎の伸展と顎の開口は連動して起こり、顎関節の機能不全はこの連動運動によって改善される。

現代人に多いストレートネックや無呼吸症候群は、別々のものではなく原因は同じであると言える。

顎ワークで正常な鼻呼吸が獲得できるという原理は、4点の連動性により舌骨による気道の圧迫を除去できるからである。

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