前十字靭帯の栄養血管である中膝動脈の状態を確認することで、より早期に前十字靭帯損傷の予後を予想できると考えています。以下のMRIでは靭帯は損傷しているが、中膝動脈の大腿骨枝は確認できる。このケースは自然治癒が十分可能であると判断しています。
受傷後2ヶ月目
中膝動脈の存在は確認できるが、大腿骨との連続性が不鮮明である。
受傷後4ヶ月目
中膝動脈の大腿骨との連続性が十分に確認できる。
損傷した前十字靭帯が自然修復してくための絶対条件として、乏しいとさる中膝動脈の靭帯への血流を確保する必要がある。当院では、前十字靭帯損傷の保存的治療の初期治療として、血流確保を重点に行ってきた。
尚、上のMRIは血管の状態を確認できる断面であり、靭帯の連続性を確認する断面はより外側に位置していることに注意が必要である。上の受傷4ヶ月目の画像の4mm外側の断面を次に示す。
損傷靭帯の連続性は改善しており、今後の経過観察結果は以後報告していく予定です。