スノーボードのジャンプ着地で左膝を受傷。3名の専門医による合議制ルールのもと、初診MRI診断では最も重度なIhara分類4型(断端不明瞭)と判定。オンラインでナチュラリゼーション療法を開始。指導後即座に「股関節の完全外旋」を体得し、徹底したアライメント管理と運動療法を継続した結果、最終MRIではACLOASグレード0(正常な靭帯構造)という最高評価の自然治癒を達成した。
前十字靭帯断裂の自然治癒療法 / 前十字靭帯自然治癒の症例集/Facebookグループ
患者情報
- 年齢・国籍:41歳・日本人男性
- 受傷側:左膝
受傷機転
- 受傷日:2023年4月1日
- 状況:スノーボード滑走中、ジャンプ台の着地衝撃により左膝を負傷。断裂音(ポップ音)を確認。翌日接骨院を受診し、精密検査を勧められた。

初期評価(MRI①)
- 撮影日:2023年4月6日
- 画像診断:独立した3名の画像診断専門医に読影を依頼し、意見が分かれた場合は合議により評価を決定するルールを適用
- Ihara分類:合議の結果、Ⅳ(Type 4)と判定(最も複雑な完全断裂)
- 備考:受傷後、膝の完全伸展動作や重りを用いた筋力トレーニング等は一切行わなかった。
〖Ihara分類 注釈〗
I=直線的断裂/II=湾曲した断裂(単純完全断裂)/III=断端の変位を伴う断裂/IV=断端が不明瞭・形態不良(最も複雑)
初期方針・治療開始
- 開始日:2023年4月8日
- 形態:松本じゅん接骨院のオンライン治療にてナチュラリゼーション療法を開始
- 装具管理:装具を装着し、膝伸展 0〜30°の制限を厳格に管理
- 活動制限:歩行≤3,000歩/日 を厳守
- 自主運動:ナチュラリゼーション(進化発達運動)を 1日3回

最終評価(MRI②)
- 撮影日:2023年9月19日(治療開始から約5か月後)
- 評価:3名の独立した画像診断専門医による合議を実施
- ACLOAS判定:合議の結果、0(Grade 0:正常な靭帯構造への再生)と判定
- 復帰状況:日常生活に完全復帰し、段階的にスポーツへの参加も開始
〖ACLOAS native ACL分類 注釈〗
0=正常/1=肥厚や高信号を伴うが形状・連続性は保持(良好)/2=菲薄化・伸長があるが連続性保持/3=連続性消失
考察(筆者の感想)
- 本症例において、Ihara分類4型という極めてシビアな完全断裂の状態から、ACLOASグレード0という最高の結果に至ったことは驚くべき成果である。
- ナチュラリゼーションの「カエルのポーズ」において、この患者は指導直後に股関節の完全外旋位を100点満点の精度で体得した。
- 股関節の十分な外旋が膝のアライメント不良を即座に改善したことが、これほど高品質な自然再生を導いた極めて重要な要因であると推察される。
結果
- 初期:Ihara Ⅳ(合議の結果、最も重度な完全断裂と確定)
- 最終:ACLOAS 0(合議の結果、正常な靭帯構造への再生と確定)
まとめ
- 受傷(2023/04/01):スノーボード滑走中の着地衝撃により左膝ACL完全断裂。
- 高品質な再生:Ihara Ⅳというシビアな状態からACLOAS 0への回復は、適切な初期対応と厳格な装具管理の有効性を物語っている。
- 客観的証明:3名の画像診断専門医が合議制ルールのもとで下した「正常構造への再生」という評価は、ナチュラリゼーション療法の可能性を学術的に示す貴重な症例である。
参考文献
- Filbay SR, et al. Healing of acute anterior cruciate ligament rupture on MRI and outcomes following non-surgical management with the Cross Bracing Protocol. Br J Sports Med. 2023.
- Ihara H, Kawano T. Influence of Age on Healing Capacity of Acute Tears of the ACL Based on MRI Assessment. J Comput Assist Tomogr. 2017.
- Roemer FW, et al. Anterior Cruciate Ligament OsteoArthritis Score (ACLOAS). Osteoarthritis Cartilage. 2014.


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