第66弾!利他的な遺伝子 2019.4.15

松本淳のナチュラルセラピスト講座最新号はこちらから

こんにちは、松本淳です。

春真っ盛りですね。

京都では、もう桜が散り始めています。

先週開催した、代々木セミナーは、見事な桜ナチュラリゼーションでした。

代々木セミナーの早朝は、春から実業団ランナーになったKさん。

次は、プロフェッショナルセミナーを4時間してから、プライベートレッスンを2コマやりました。

一人は大学生のラグビー選手で、高校生のころからツイッターで何度も質問をしてきた子です。

通信講座も一年間やっていたらしく、初めてレッスンに来てくれました。

ナチュラリゼーションはまだまだ普及していませんが、こういう子に出会うとやってきて良かったなぁと思います。

もう一人は、バレエ留学を経験して、日本のバレエ団に入団したのですが、腰痛が酷くてすぐに退団された方。

もっと早く出会っていたら、痛みなく元気に踊れていたのにと残念に思いました。

綺麗な歯並びに小さいお口、一目見て歯科矯正してたんだなと分かりました。

歯科矯正の後遺症で顎の位置が変わり、背骨のバランスを崩していたんですね。

若いころから治療院通いで痛みを誤魔化してきたらしいのです。

治療院は何をしとるのだ!

一方、実業団に入ったばかりのKさんは、毎週定期的にマッサージを受けさせられると困惑していました。

私はどこも痛くないし、マッサージを受けると調子が悪くなると言っても強制的に受けさせられるというのです。

彼女はナチュラリゼーションを3年半もやってきて、既にマッサージを必要としない体になっているのです。

その話を中級コースですると、受講生の一人が言いました。

『あ、それうちの会社のスタッフが治療しているチームですよ。』

なんじゃそりゃ!

治療ってなんなんすか?ゴッドハンド先生!

治療家にとっての仕事は、治療することなんですよ。

相手のためではない、自分のため。

自分のためというのは、悪いことなのか?

相手のために、自分を犠牲にしないといけないのか?

最近、私は遺伝子の勉強をしています。

30年以上前に世界的ベストセラーになった、『利己的な遺伝子』という本を読んでいます。

「遺伝子は自己を最大限に増やすことしか考えていない。」という趣旨のことが書かれています。

つまり、他人よりも自己の保存が生物の根源的な本能であるということです。

親は自分の子供は自分の1/2の遺伝子を持っています。

自分の遺伝子を残すという意味では、二人の子供のために自己犠牲で死ぬと、遺伝子の保存率はプラスマイナス0になります。

いとこは1/8しか遺伝子を共有していないので、8人のいとこのために自己犠牲で死んでプラスマイナス0になります。

生物とういうのは、血縁の近縁度が近ければ近い程に、利他的な行動ができるらしいのです。

利他的行動というのは、自分の利益よりも他人の利益を優先して行う行動のことです。

母親が子供のために、自分の食べ物を分け与えるという行為は、利他的行動といえます。

これは、遺伝子を最大限に残していくための、遺伝子にとっては利己的な行動なのです。

しかし、あかの他人との近縁度は分からないので、基本的に利他的行動はとりません。

見ず知らずの人を、命をかけて守れないですよね。

同じ日本人であれば、数千分の一くらいで近縁度があるかもしれませんが、限りなくゼロに近いですね。

ですから、他人である患者の利益のために、治療家が自己の利益を棄てるという行為はありえないのです。

売り上げ第一!、患者は永遠に通わせろ!というのが、遺伝子的には正解であり、当然のことなのです。

しかし、世の中にはまれに、他人に対しても利他的行動ができる人がいます。

キリストやマザー・テレサのような人たちをイメージしてください。

迷子や行方不明者を探すボランティアおじいちゃんでも同じです。

自己遺伝子の保存という観点で考えると、他人に対しての利他的遺伝子はメリットがないので子孫を残せないということになります。

子孫を残せない利他的遺伝子は、とっくに絶滅しているはずなのですが、絶滅していないのはなぜか?

これは私の考えですが、ヒトは戦争をする種であるために、利他的遺伝子を残しておかないと絶滅するということではないでしょうか。

永遠に殺し合うと、ヒトは最後は一人になって絶滅するはずです。

その中で、沢山の他人のために自己犠牲を払って生きる人々がいることで、戦争による絶滅を回避してきたと考えます。

しかし、その利他的遺伝子自身にもメリットがないと、この遺伝子は絶滅していたはずです。

利他的遺伝子のメリットとは何か?

ヒトであるかぎり、他人であっても近縁度はゼロではないのです。

もし他人の近縁度の平均値が1/1万だとしたら、1万人を自己犠牲で救って初めて利他的遺伝子は遺伝的メリットを得ると言えます。

おそらく私は、この利他的遺伝子を持っているのかなと想像しています。

私の話に共感する人たちも持っているかもしれません。

ごく一部の人しか持っていないマイナー遺伝子なので、大多数の人からは馬鹿にされるかもしれません。

他人の利益を考える馬鹿と。

考え方を変えた方が楽なのは分かるんですけど、遺伝子なので変えられないんですよ。

この遺伝子を残すためには、1万人以上を救うしか道はないのです。

まあ、そんなことを考えている今日この頃です。

では、皆様またお会いしましょう!

Ci vediamo!

2022年5月22日の新宿ナチュラリゼーションのご案内 Evo-Devo Exercises seminar on May 22,2022

注目

5月22日(日)新宿ナチュラリゼーションEVOセミナー

ナチュラリゼーションEVO.のスタジオレッスン。あらゆる競技のアスリートから体にお悩みのある一般の方までご参加頂けます。

会場:Rental Studio My lesson 新宿 Cスタジオ  新宿御苑前駅 2番出口 徒歩1分 

①13:00~14:50(110分)
②15:00~16:20(80分)
③16:30~17:50(80分)

受講料(税込)
プライベートレッスン 
80分:25,000円
110分:30,000円
大学生以下は5,000円割引です。
キャンセルは7日前までは無料です。6日〜前日はレッスン料の半額、当日は全額のご負担をお願い致します。悪天候により中止になった場合は、この限りではありません。

『お支払いについて』
クレジットカード・PayPal・PayPayの他、銀行振込でお支払い頂けます。
PayPalでのお支払いは、上のフォームをご利用ください。クレジットカードでのお支払いはリンクを送りますので、メッセージを送ってください。
PayPayでのお支払いは、PayPay idまたは携帯電話番号をメッセージで送ってください。
銀行振込でのお支払いは、次の口座までお振込みください。
三菱UFJ銀行 
京都支店
普通 3639007
名義 マツモトジュン

お預かりした個人情報はお申込みいただいたサービスの提供以外に利用しません。

『メールでお問い合わせ』
ivanivankov@yahoo.co.jp

『公式LINEからお問い合わせ』

松本じゅん接骨院公式LINEアカウント

Evolutionary and Developmental Exercises Seminar will be held in Tokyo. In this seminar you can learn the essences of Evo-Devo Exercises step by step. Evo-Devo Exercises are the name of the exercises which are based on the evolution and the development of human beings. Many of the musculoskeletal disorders are caused by the lack of  the development movements during 0-year old age. In this seminar, you will learn:

  1. Learn the 0-year old exercises precisely, and why those are important for our healthy life.
  2. How to overcome musculoskeletal disorders by Evo-Devo Exercises approach.
  3. How to improve physical abilities by Evo-Devo Exercises.

Evo-Devo Exercises involve all of the body parts and let them move with natural coordination. As you complete all of the exercises, you will retrieve natural body and movements.

Tokyo seminar

Date: May 22, 2022
class 1: 13:00-14:50(110 min.)
class 2: 15:00-16:20(80 min.)
class 3: 16:30-17:50(80 min.)

Place: My Lesson Shinjuku C studio

Fee: 25,000 yen(80 min.), 30,000 yen(110 min.)

Entry qualification: Anyone

Shiga seminar is always open at Jun Matsumoto Natural Therapy Office.

How to entry: Please send the information of your name and the course of your preference via email ivanivankov@yahoo.co.jp

I sincerely appreciate for your interest in Evo-Devo Exercises.

Jun Matsumoto

第65弾!ナチュラリゼーション進化論を考える。2019.4.1

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こんにちは、松本淳です。

すっかり春めいてきましたね。

京都では桜の蕾がすくすくと成長しています。

桜の木の下でナチュラリゼーションするのもいいですね。

今年からプロフェッショナルセミナーの中級コースを開催しているんですけど、これがなかなか大変ですが面白いのです。

面白いというのは、私が面白いのであって、受講者の皆さまはどうお考えなのかは分かりませんが。(笑)

中級コースでは、座学もしておりまして、この準備に膨大な勉強をさせて貰っています。

私自身、この勉強が面白い!

これは、ナチュラリゼーションの科学的根拠を構築していくための第一歩でもあります。

一言で言えば、なぜヒトはハイハイをするのかという答えが、実はまだ無いんです。

この問いへの答えを出すために、進化発生学学という学問をひも解いています。

ダーウィンの進化論から、人類学、遺伝学の歴史と現在を一通り知らないと、偏った仮説で終わると思うんですね。

過去の科学者達の偉業や挫折なども知っていくと、科学も多数派が勝つという傾向がありますね。

科学者達も勢力争いに勝つために政治をするんですね。

ダーウィンやヘッケルもそうですが、政治に敗れたメンデルなどは亡くなってから評価された科学者でした。

私もできれば生きている間に、ナチュラリゼーションが評価されてほしいなという希望はあります(笑)

私が死んでからも発展してほしいという思いから、ナチュラリゼーション進化論の構築をしておきたいのです。

学問すればするほど、内容が難しくなって、一般の人は離れていくかもしれません。

理論が構築されたら、簡単な言葉で分かりやすく説明できるかと思います。

ダーウィンの進化論が全て正しいわけではありませんが、一つだけ正しいと思うことがあります。

それは、生物は皆、競争原理の淘汰圧の中で生きているということです。

淘汰圧とは、自然淘汰される圧力のことです。

ヒトは動物界のなかでは、ずっと敗者であり、負ける度に新しい生き方を探してきた種なんですね。

肉食獣から逃れるために木に登り、そして樹上生活でも敗れて、また地に降りてきたわけです。

走ることよりも、手で道具を使うことを選んだのです。

道具を持ちながら移動するので、直立二足歩行になったのです。

一方、サメは海の中では完成形なので、古代魚の姿のままあまり進化せずに現在でも種として保存されています。

そう考えると、苦しいけど淘汰圧のなかで生きている方が、進化していくはずなんです。

どの海、どの地で、何を食べるかという選択が進化の鍵を握っているのです。

私はダイエットとかフィットネスという海では生きていけない。

治療に関しても、腰痛、肩こりという広くて浅い海では生きていけない。

しかし、究極のニッチである前十字靭帯断裂の保存療法という海には、医者というサメがいるんですよね。

何という淘汰圧!!!

おかげさまで、少しずつ症例が集まってきています。

それでも、100例の症例を作るのに数年はかかるでしょうね。

それまで、淘汰されないで生き延びていかないといけません。

孤独な戦いですが、頑張っていきます。

いつも読んで頂いてありがとうございます。

では、またお会いしましょう!

Andiamo!

前十字靭帯断裂の自然治癒 ケース13

注目

前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

21歳、男性、ラグビー選手、日本人
2021年5月12日、ラグビーの練習中に、左にフェイントを切る際、右膝を捻った。(非接触型)整形外科を受診し、5月13日にMRI撮影を行い、前十字靭帯断裂と診断された。

2021年5月15日から、当院の自然治癒療法のオンライン治療を開始した。ナチュラリゼーションと呼ばれる進化発生学に基づいた運動療法を4ヶ月継続したのち、新たにMRI画像を撮影した。

断裂した前十字靭帯の連続性が確認され、自然治癒していることも確認された。これにより、競技復帰へ向けてアスレチックリハビリテーションを開始し、運動強度を段階的に上げていくことを許可した。受傷7カ月が過ぎた12月26日、全国大学ラグビー選手権準々決勝において公式戦復帰を果たし、トライを決めた。

前十字靭帯断裂の自然治癒 ケース12

注目

前十字靭帯断裂の自然治癒療法

前十字靭帯断裂自然治癒の症例集

46歳、女性、日本人
2021年8月30日、柔術の練習中に、左膝を捻った。整形外科を受診し、9月3日にMRI撮影を行い、前十字靭帯断裂と診断された。

2021年9月20日から、当院の自然治癒療法のオンライン治療を開始した。ナチュラリゼーションと呼ばれる進化発生学に基づいた運動療法を3ヶ月継続したのち、新たにMRI画像を撮影した。

断裂した前十字靭帯の連続性が確認され、自然治癒していることも確認された。これにより、リハビリ過程における運動強度を上げていくことを許可し、受傷以前の運動レベルに戻していくためのリハビリを開始した。前十字靭帯断裂から2ヶ月以内にナチュラリゼーション療法を開始し、これを3ヶ月以上継続したは、11件中11件ともMRI画像において、自然治癒が確認された。

第63弾!そして花は咲く。2019.3.1

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こんにちは、松本淳です。

いやー、やっと三月になりましたね。

春ですよ、春到来!

私は春が一番好きです。

だってお花が咲く季節だから。

私はバラをはじめ、いろんな植物を育てています。

先週に土の植え替えも終わり、後はお花が咲くのを待つばかりです。

ところで、お花ってなんであんなに綺麗なのか知っていますか?

あれは受粉してくれる蜂に見つけてもらるためなんです。

植物も生存競争をしていて、より美しい花が生き残ってきたわけなんです。

蜂はお花から蜜を吸いますが、その代わり受粉してくれるんです。

自然界は食物連鎖というギブ&テイクで成り立っています。

テイクだけってありえないんですね。

あんまり言いたくないんですけどね、私からただで情報を得てお金にして売っている人がいます。

私から習っておいて、私の邪魔をしようとする人もいます。

ライオンにはライオンの正義があり、ハイエナにはハイエナの正義があるので仕方ありません。

私はライオン派なので、人様のものは横取りしません(笑)

私はギブ&テイクしないようにしています。

ギブした相手からテイクしたらそれで終わりなんですが、私はそれが好きではありません。

ライオンが死んだら、土に還って、それで植物が育ち、それを食べるシマウマが育つわけです。

ギブしたものは、巡り巡って自然と還ってくるという考えです。

キャッチボールではなくて、幸運の循環を大切にしています。

そんなことより、最近になってようやく前十字靭帯断裂の患者が増えてきました。

一人は舞鶴のもり接骨院からのご紹介のバスケ女子。

受傷後2カ月経ってからの来院なので、自然治癒はかなり厳しいと予想していますが、現在全力で治療しています。

月1で来院してもらって、週3でもり接骨院に通ってもらっています。

私は横取りはしないので、絶対に返します(笑)

二人目は名古屋からの陸上選手で、アカデミーに通っている大学生のご紹介です。

受傷後1ヶ月での来院で、こちらも自然治癒は厳しいと予想していました。

しかし、通院から2ヶ月目のMRI画像で、断裂靭帯が修復し始めていることを確認出来ました。

受傷後3ヶ月でジョギングを開始し、半年で競技復帰を目指しています。

その他には、ネット治療院でセッションをしているマレーシア人、インド人、ポルトガル人です。

ポルトガル人は受傷後すぐだったので、一回目のセッションで機能的にはかなり回復しているようです。

マレーシア人とインド人は受傷後2ヶ月経ってからのセッション開始なので、かなり苦労しています。

それでもマレーシア人は、セッション開始から2ヶ月で日常動作が改善してきました。

このマレーシア人がかなり厄介な方でして、何度か口論してきました(笑)

『私の周りは皆ネット治療に反対している。マレーシアで膝の権威と言われるドクターはナチュラリゼーションに反対している。』

何度もそういう事を言ってきたので、ちょっとカチンときました。

『そんなん知るか。信じてるんならやれ。やってから言え。俺が治ると言ったら治るねん!』

そしたら、奥さんが画面に出てきて、こう言うわけです。

『うちの主人治るんですか?本当に治るんですか?本当ですよね?』

なんで奥さんと口論せなあかんねん。。。

そして、暫くしてから彼はこう言ってきました。

『先生!治ってきたよ!おいらの膝、治ってきたよ!』

結果を出せば、信じてくれるんだなと痛感しました。

という訳で、このネット治療院インターナショナルはかなり大変です(笑)

言葉の違いもありますし、人種の違いもあって結構格闘しています。

ネット治療では生で触れないので、絶対に治るという確信が無いと出来ないと思います。

そのうちまがい物が増えると思いますが、それまでに信用されるものにしていきたいと思います。

そんなこんなで、色んなことがありましたが、長い冬もやっと終わりますね。

3月は久しぶりに横浜と、そして初めての博多でセミナーを開催します。

ぜひ、生でお会いしましょう!

では、また!

Ci vedremo!

2021年認定更新セミナーのご案内

認定更新セミナー
認定ナチュラリゼーショントレーナーの資格を更新されるためには、年一回の認定更新セミナーを受講して頂くことになりました。2021年は、初級、中級合同の認定更新セミナーを関東と関西の2ヶ所で以下の通り開催する予定ですので、どちらか一つのセミナーを受講してください。Zoom会議による座学をそれぞれ前日に開催します。どちらか一つの座学を受講してください。更新する意思があり、欠席される場合は、年間更新料3万円(税込)のみお支払いください。
関東会場
7/17 理論講習 19:30〜21:00
7/18 実技講習 9:00〜12:00
茅ヶ崎柳島キャンプ場 キャンプ場前8:45集合
セミナー終了後バーベキューを予定していますので、ぜひご参加くださいませ。
関西会場
7/24 理論講習 19:30〜21:00
7/25 実技講習 9:00〜12:00
マキノサニービーチ 知内浜オートキャンプ場 
松本じゅん接骨院 8:30集合
セミナー終了後バーベキューを予定していますので、ぜひご参加くださいませ。
当院にて前泊可能です。
講習費:3万円(税込)
ご用意していだくもの:汚れてもよい服装、水着、シュノーケルセット、タオル
諸注意:実技は砂浜、芝生の上だけではなく、水中でも行います。どうしても泳げない方は、陸上だけのメニューでご参加頂けます。

進化機能解剖学9 肩の進化論2

今回は、上肢帯の起源である「肩帯」について解説していく。

脊椎動物の起源は、ナメクジウオが属する頭索動物であるという説が有力であり、その頭索動物から魚類が誕生した。

魚類の鰭が陸上生活で進化してしたものが手や腕となった。

上肢帯の基部を構成する部分を「肩帯」と呼び、以下の骨で構成される。

肩甲骨

上肩甲骨

前烏口骨

烏口骨

上鎖骨(擬鎖骨)

上上鎖骨(上擬鎖骨)

鎖骨

間鎖骨

ここで挙げた骨は特定の動物群にしか現れない物や、進化の過程で消滅したりする物が含まれており、これら全てを同時に持つ脊椎動物はいない。

間鎖骨以外は左右対である。(1)

まずは魚類の肩帯について紹介する。

コイ科魚類の骨格(2)

上野輝彌・坂本一男(1999)『魚の分類の図鑑』 東海大学出版会 より

上擬鎖骨(20)擬鎖骨(21)肩甲骨(22)烏口骨(23)

頭部側面観(3)

上野輝彌・坂本一男(2005)『新版 魚の分類の図鑑』 東海大学出版会 より

烏口骨(CC)擬鎖骨(CL)肩甲骨(S)上擬鎖骨(SCL)

肩帯とそのいろいろな骨(3)

落合明編(1994)『魚類解剖大図鑑』 緑書房 より

後側頭骨(PT)上擬鎖骨(SCL)擬鎖骨(CL)肩甲骨(S)後擬鎖骨(PCL)烏口骨(CC)

肩帯を構成する骨において、鎖骨群は頭蓋骨後縁部から派生した骨であるため、頭蓋骨と同じく皮骨性骨格である。

その他の骨は内骨格性骨格である。

一部の魚には、俗に「鯛の鯛」と呼ばれる部位がある。

これは胸鰭を構成する肩帯の形がその魚に似ていることが名前の由来とされている。(4)(5)

落合明編(1994)『魚類解剖大図鑑』 緑書房 より
高知新聞朝刊(2013年2月2日) 表情?豊かな鯛の鯛 より

肩甲骨は、鰓裂後方部を構成する骨から派生したものと考えられている。

初期の脊椎動物である魚類の肩帯は、ただ胸鰭を動かすためのものであった。

魚類から両生類への進化で肩帯に起こった最も重要なことは、上上鎖骨が消失したことにより、肩帯が完全に頭蓋から切り離されたことである。

これにより、前肢は自由度が増し、さらに”頚部”が生まれる要因にもなった。(1)

鎖骨群は頭部から切り離された後下方へ下がり、間鎖骨によって左右の鎖骨は連結されることになる。

ヒキガエルの肩帯(1)

1.上肩甲骨 2.肩甲骨 3.鎖骨 4.前烏口骨

魚類では、肩帯は胸鰭を動かす為だけに存在しているが、両生類になると体を支持するという機能も合わせ持つようになった。

陸上では水中程方向転換が容易ではないことから、頸部の自由度が必要になったと想像出来る。

肩帯は頭部からを分離することで、その自由度とロコモーション機能を高めることが出来た。

爬虫類になると、前烏口骨の後方に新たな化骨中心が現れ、それが烏口骨となった。

さらにほとんどの進化系列で上鎖骨は退化傾向を示し、最終的に消失する。

主竜類の系統が内骨格性肩帯として肩甲骨と前烏口骨が基本となるのに対し、単弓類の系統では前烏口骨が退化していき、肩甲骨と烏口骨が内骨格性肩帯の主要な構成要素となっていく。

現生の爬虫類でいうと、肩甲骨・前烏口骨・鎖骨・間鎖骨が肩帯の基本的な構成骨である。

ただし、主竜類は鎖骨も退化の傾向を示すので、ワニ類には鎖骨はない。(1)

ワニの骨格(6)

爬虫類は哺乳類の祖先ではなく、両生類から派生した単弓類が哺乳類の祖先である。

両生類から別に派生した爬虫類から恐竜、鳥類が派生し、哺乳類は別系統の単弓類から派生したのである。

鳥類の基本的な構成は、爬虫類の主竜類と同じである。

ただし左右の鎖骨(とおそらく間鎖骨も)は癒合してV字またはY字形となっており、叉骨 (furcula) または暢思骨 (wishbone) という名で呼ばれることがある。

肩甲骨は薄く細長くなって伸張し、脊椎とおおむね平行になっている。

前烏口骨も棒状に伸張するが、肩甲骨とは異なり強く頑丈になっている。

これは巨大な胸骨に起始し上腕骨に至る強大な飛翔筋が収縮する際の荷重に耐えるためであると考えられている。(1)

ハトの骨格(7)

叉骨(3)烏口骨(4)竜骨突起(6)肩甲骨(19)

単弓類の盤竜類段階で持っていた肩帯構成骨は、肩甲骨・前烏口骨・烏口骨・上鎖骨・鎖骨・間鎖骨の6種であった。

しかし、そこから獣弓類を経て哺乳類に進化した際に失った骨は上鎖骨のみである。

単孔類のカモノハシは肩甲骨・前烏口骨・烏口骨・鎖骨・間鎖骨の5種の骨からなる肩帯を保持している。

現在のヒトを含む真獣類が持っている肩帯構成骨は肩甲骨・鎖骨の2種にまで減少しており、単孔類の肩帯が原始的であるという言われ方をするのはそのためである。

その後の進化の中で、間鎖骨と前烏口骨は消失し、烏口骨は肩甲骨と癒合して烏口突起 (coracoid process) と呼ばれる部位になった。

烏口突起とはヒトではその名の通り鳥のくちばしのように鍵形に曲がった突起であり、むしろ烏口骨という名称が烏口突起に由来している。

それとほぼ時を同じくして、それまでの肩甲骨の前縁から更に前方に筋の付着面が形成され、その新しい付着面を棘上窩、それまで前縁だった部分を肩甲棘、それまでの筋付着面を棘下窩と呼ぶようになった。

最終的には、真獣類の肩帯の内骨格性成分は肩甲骨のみとなっている。一方、皮骨性骨格成分として最後に残ったのは鎖骨である。鎖骨は上腕を様々な方向に回転させる樹上性の動物ではよく発達しているが、有蹄類・食肉類などを始めとした多くの群で消失している。

これは、走行・跳躍など前肢の前後への運動が主となる場合には、肩甲骨遠位部の自由度を大きくしておいた方がよいためであろうと解釈されている。

ヒトの肩帯(1)

哺乳類でもウマ、イヌ、ウシ、ゾウの様な走行性の哺乳類等では退化している場合も多い。

木登りをするネコには鎖骨が存在するが、木登りをしないチーターには鎖骨は無い。

鎖骨がないといわゆる抱きつく所作(前脚を内側に曲げ保持すること)が困難で鎖骨のない動物は木登りができないことから、早期に草原に進出した動物は長距離移動に適応して鎖骨が退化し、長期間森林に生息した動物には鎖骨が残っているのではないかと考えられている。(1)

ネコの鎖骨(8)

鎖骨が残存する必要性は挙上位での上肢のコントロールであり、樹上で生活をする霊長類の鎖骨は退化していない。

ナチュラリゼーションにおける『這うワーク』は、魚の胸鰭から進化した両生類の上肢の動きをモチーフにしており、その上肢の原始的な機能を取り戻す意味があると言えるでしょう。

参考文献

(1)ウィキペディア,https://ja.wikipedia.org/wiki/肩帯,2019年9月27日アクセス

(2)上野輝彌・坂本一男(1999)『魚の分類の図鑑』 東海大学出版会 

(3)上野輝彌・坂本一男(2005)『新版 魚の分類の図鑑』 東海大学出版会 

(4)落合明編(1994)『魚類解剖大図鑑』 緑書房

(5)高知新聞朝刊(2013年2月2日) 表情?豊かな鯛の鯛
  
(6)Wikipedia Crocodilian armor,https://en.wikipedia.org/wiki/Crocodilian_armor2019年6月19日アクセス.

(7)ウィキペディア,https://ja.wikipedia.org/wiki/鳥類の体の構造,2019年9月27日アクセス

(8)Radiographic Signs of Joint Disease in Dogs and Cats,https://veteriankey.com/radiographic-signs-of-joint-disease-in-dogs-and-cats/,2019年9月27日アクセス

進化機能解剖学7 股関節の進化論

今回は、股関節の解剖学と機能について系統発生学的に解説してみようと思います。

系統発生学的には、ヒトの手足は魚のヒレから進化したと考えられています。

魚類から両生類に進化した時に、川底や陸上で前進するためにこのヒレは手足へと進化しました。

(2)Clack, J. A. 手足を持った魚たち より

両生類であるカエルとオオサンショウウオの骨格を見てみましょう。

手足は脊柱に対して外側を向き、形態的にも手足は非常に類似しています。

上腕骨と大腿骨の形態も非常に類似しています。

水を掻くためのヒレは、地面を支えるための手足へと進化しました。

そのため、肩と股関節は90度外旋していきました。

爬虫類になると陸上での生活が主になり、体と地面との摩擦を軽減して前進するために、四肢で地面と押す筋力が発達しました。

ワニの骨格をご覧ください。

両生類に比べて四肢の骨がかなり太くなっています。

両生類から哺乳類へと進化する時に、四肢は大きく形態を変えることになります。

四肢が地面に対して直立していくという大進化を遂げました。

Tom Hogervorst, Evie E. Vereecke 2014.Evolution of the human hip. Part 1: the osseous framework.J Hip Preserv Surg. 2014 Oct

Aが爬虫類、Bがネズミのような初期哺乳類、Cがネコやウマのような哺乳類

爬虫類から哺乳類へと進化する過程において、上肢は外旋し、下肢は内旋して両肢共直立していきました。

そういった進化から、哺乳類では肘と膝が向き合う形態になったのです。

その後、哺乳類から類人猿、そしてヒトへと進化していく訳ですが、ここでも大きな大進化を遂げることになります。

四足歩行から、直立二足歩行へという大進化が起こりました。

その中間となる類人猿とヒトの形態的違いを見てみましょう。

Tom Hogervorst, Evie E. Vereecke 2014.Evolution of the human hip. Part 1: the osseous framework.J Hip Preserv Surg. 2014 Oct

類人猿は腰が丸く、膝と股関節も曲がっています。

ヒトは完全な直立を獲得するために、膝と股関節を伸展させ、かつ骨盤を前傾させたのです。

骨盤の前傾によって腰椎も前湾し、安定した直立のために脊柱のS字形を獲得していったのです。

ヒトの個体発生において、進化の歴史は繰り返されています。

赤ちゃんは両生類的な開排位で生まれてきます。

そこから更に股関節を90度外旋した爬虫類の動きは殆ど行いません。

哺乳類的な動きであるハイハイで股関節は内旋するので、爬虫類的なパターンは省略されたものと考えています。

ヒトの股関節が完全に進化したと言えないのは、直立した時に大腿骨頭が寛骨臼から前へはみ出てしまうという点にあります。

形態的には、ヒトは未だに無理をして直立をしていると言えるでしょう。

股関節にとって楽なポジションは、関節面が一致する屈曲位です。

しかし、この屈曲位のまま直立していると、骨盤後傾によって様々な障害を引き起こします。

系統発生に従って、開排位と四つ這いのポジションで、しっかりと股関節を発達させてから直立へと移行することが重要であると考えます。

股関節を正常に発達させるワークの一つである「ずりばい」をご紹介します。両生類の動きをモチーフにしています。

参考文献

(1)第36話私たちの身体に魚の痕跡(その1) タイのタイ, https://blogs.yahoo.co.jp/horitujoy/39886285.html 2019年6月19日アクセス.

(2)Clack, J. A. 手足を持った魚たち――脊椎動物の上陸戦略. 池田比佐子訳. 東京, 講談社, 2000. p.156

(3)ありんこ日記 AntRoom,http://blog.livedoor.jp/antroom/archives/51085457.html2019年6月19日アクセス.

(4)フィットネスクラブ シナジー オオサンショウウオ 骨格, https://ownfitnessclub.amebaownd.com/posts/53118332019年6月19日アクセス.

(5)Wikipedia Crocodilian armor,https://en.wikipedia.org/wiki/Crocodilian_armor2019年6月19日アクセス.

(6),(7)Tom Hogervorst, Evie E. Vereecke 2014.Evolution of the human hip. Part 1: the osseous framework.J Hip Preserv Surg. 2014 Oct

進化機能解剖学6 足の進化論2

足のアーチは、現代ではホモ・サピエンス特有の構造であり、同じヒト科の動物であるゴリラやチンパンジーには無いものである。

(1)

(1)の図のように、チンパンジーの足にはアーチ構造が無く、母趾は大きく外に開いている。

これは樹上生活で枝や蔓を足で掴む行動をしているからである。

我々ヒトとチンパンジーの先祖はおよそ700万年前に分岐したと言われ、ヒトはその後樹上生活を止めて地上へ下りてきたと言われている。

チンパンジーと分岐した後、現在までに発見されている最古のヒト科ヒト属の先祖が「サヘラントロプス」である。

サヘラントロプスはおよそ700〜600万年前に生息していたと考えられている。

年代は少し新しなって、およそ440万年前に生息していたとされる「アルディピテクス・ラミダス」の化石が発見された。

彼らの骨格のイメージはこのようになっていたと想像される。

(2)

彼らは樹上生活と地上生活を行き来していたと想像され、地上では直立二足歩行をしていたようだ。

足の構造も現代のヒトとチンパンジーの中間くらいの構造をしており、母趾は外転していた。

タンザニアのラエトリの370万年前の地層から発見された有名な旧人類の足跡のイメージを次に示す。

(3)

Aは現人類の足跡、Bは現人類が膝と股関節を曲げた歩容で付く足跡、Cがラエトリで発見された足跡である。

Bは直立二足歩行をまだ完全に獲得していない旧人類の歩容を模倣した足跡である。

CがBと異なり、Aと類似していることから、ラエトリの足跡は現人類に近い直立二足歩行を獲得した旧人類のものと考えられてきた。

どの種の人類かを断定することは出来ないが、アウストラロピテクス・アファレンシスの足跡であったと想像されている。

アウストラロピテクスの化石の分布は、人類が発祥したと言われる東アフリカを中心としたアフリカ大陸であったが、200万年前頃から現れたホモ属はヨーロッパやアジア大陸まで進出していった。

これはホモ属の歩行能力がアウストラロピテクスよりも進化していることを示してる。

そして、このホモ属はアウストラロピテクスが行っていなかった狩猟採集生活を始めたのだ。

つまり、ホモ属の足は直立二足で長い距離を走ることに適応したのだ。

外転した親趾は歩行や走行には邪魔でになるため、走ることを得意としている多くの哺乳類は親趾を退化させた。

ヒトの先祖は樹上生活に適応させるために、親趾の機能を進化させてきた。

現代のヒトの手と同じように、物を掴めるように進化させてきた。

樹上生活を止めたヒトの先祖は、陸上での効率的な直立二足歩行のために親趾を退化させるか進化させるしかなかったものと考える。

そして、ヒトの先祖は親趾を退化させるのではなく、内転位に変形させ、前方へ向けることで地面を親趾で押すという進化を選んだ。

歩行時に親趾を背屈させることで歩行の効率を上げていったとされる。

ホモ属だけが足のアーチを獲得し、ウィンドラス機構と呼ばれる直立二足歩行に効率化をもたらす機能を手に入れた。

(4)

このウィンドラス機構によって、重心移動の効率化、着地衝撃の吸収力、そしてバネとしての反発力を得ることができた。

アウストラロピテクス以前の直立二足歩行はチンパンジーと類似した、股関節と膝関節を屈曲させた姿勢だったと想像されている。

ホモ属は足のアーチを獲得することによって、衝撃吸収と反発を股関節と膝に依存させる必要が無くなったのだ。

そして、ホモ属は膝と股関節の完全伸展を獲得し、その結果、腰椎は前湾し、脊柱のS字形を手に入れた。

歩行能力を進化させていったホモ属は、アフリカを出て全世界へと拡散していったのだ。

リーバーマンによると、ヒトは狩猟採集生活で走ることによって足のアーチを獲得したとされる。(5)

しかし、これはまだ仮説であり、走ることで足のアーチが進化したのか、足のアーチを獲得した後に走れるようになったのかは分かっていない。

私の仮説では、足のアーチを獲得した後に走れるようになったのではないかと考えている。

母趾を背屈させて母趾で地面を押すという環境で足の内側アーチは発達していく。

自然環境でのこの動作は、傾斜のある山を登るということである。

私の開発したダイナミックアーチというのは、その環境を模倣して平地で行うものである。

足のアーチの起源を探る旅で私を悩ませてきたのは、ヒトだけが足のアーチを持っているということである。

そのため、ヒトの赤ちゃんが立ち上がって歩くことによって、足のアーチを発達させるものと考えてきた。

系統発生を純粋に反復するとすれば、その理論は正しいはずである。

しかし、ヒトの個体発生の過程を見ると、赤ちゃんは這うときに母趾を背屈させて地面を押しているのだ。

生まれた時はサルのようなアーチの無い足だが、這うときに既にアーチ形成のための準備運動を始めているのだ。

これを模倣した運動がクラシックダイナミックアーチである。

個体発生は系統発生を繰り返すというのが反復説であるが、実際には時系列的に正確に反復するとは限らず、必要に応じて修正されているはずである。

リーバーマンの仮説を信じて、裸足で走る人々が一時的に増えた時代があった。

しかし、大多数が困難に直面して挫折していった現象があり、私は彼の仮説に疑問を抱いてきた。

靴が足の発育に弊害をもたらすことには同意するが、それよりも深刻なことは乳児期に靴下を履き、アーチ形成を阻害する悪習慣である。

レッスン8の足のアーチのワークでは、樹上生活を模倣した足ゆび歩きで足裏の筋肉を発達させるワークを最初に導入した。

その次に、母趾の背屈からの屈曲というダイナミックアーチで足のアーチを形成するワークを導入した。

ヒトの先祖が樹上生活で過ごし、そして大地に降りて直立二足歩行で歩きだしたという進化の歴史を再現したのである。

参考文献

(1)Elftman, H. and Manter, J. (1935a). Chimpanzee and human feet in bipedal walking. Am. J. Phys. Anthropol. 20, 69-79.

(2)Image of Sahelanthropus courtesy of Michel Brunet; drawing of Ardipithecus copyright © 2009 Jay Matternes.

(3)David A. Raichlen, Adam D. Gordon, William E. H. Harcourt-Smith, Adam D. Foster, Wm. Randall Haas, Jr PLoS One. 2010; 5(3): e9769.

(4)Hicks, J. H. (1954). The mechanics of the foot. II. The plantar aponeurosis. J. Anat.88, 25-30.

(5)Daniel Lieberman,The story of the human body:Evolution, Health, and Disease,Vintage,2014