患者情報と受傷機転
59歳、男性、日本人
2021年12月28日、スキー中に右膝を負傷。 同日、病院に運ばれ、レントゲンで骨折はなかった。 2021年1月13日、MRI撮影を行い、次のように診断された。
前十字靭帯の完全断裂
内側半月板損傷とその転移半月の関節内嵌頓
1月17日に半月板修復手術を受け、ギプスで膝を3週間固定した。 ギプス切除後の2月12日、当院を訪れ、前十靭帯断裂の自然治癒へ向けたナチュラリゼーション療法を開始した。対面およびオンライン治療を6ケ月間行い、自宅でも毎日ナチュラリゼーションを継続した。そてし、 8月4日、2回目のMRI撮影を行った。
MRIの評価:
前十靭帯の連続性が確認できる。
今後の展望と考察:
当院では、半月板修復手術後に前十靭帯断裂の自然治癒療法を行い、自然治癒に成功した最初の症例です。 膝を3週間固定してたため、自然治癒は困難であると予想された。実際、固定による拘縮により、可動域の回復に通常の数倍の時間を要した。 しかしながら、私の予想に反して、断裂した前十字靭帯は、無事、自然治癒に成功しました。2回目のMRIで自然治癒が観察された後、スキーに復帰するために筋力トレーニングを開始した。 同年10月には、患者は、通常の日常生活を問題なく送れるまで回復していた。
参考文献:
- Ihara H, Miwa M, Deya K, Torisu K. MRI of anterior cruciate ligament healing. J Comput Assist Tomogr. 1996 Mar-Apr;20(2):317-21. doi
- Ihara H, Kawano T. Influence of Age on Healing Capacity of Acute Tears of the Anterior Cruciate Ligament Based on Magnetic Resonance Imaging Assessment. J Comput Assist Tomogr. 2017 Mar/Apr;41(2):206-211. doi
- Pitsillides A, Stasinopoulos D, Giannakou K. Healing potential of the anterior cruciate ligament in terms of fiber continuity after a complete rupture: A systematic review. J Bodyw Mov Ther. 2021 Oct;28:246-254. doi